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タイアップする前に知っておきたい!インフルエンサーの「文脈」とは?

企業がプロモーションにインフルエンサーを起用するタイアップ案件。インフルエンサーと組むことで、その影響力により、フォロワー/ファンのみならず、世の中から広く認知されるきっかけとなったり、多くの人から共感を得ることにもつながります。その一方で、タイアップしたのに、期待した効果がなかった…というケースも。 企業とインフルエンサーのミスマッチを防ぐために、まずは企業側がインフルエンサーの「文脈」を把握し、見極めることがポイントです。

 こんにちは、デジタルPRプランナーの深谷です。昨今、デジタルPR領域では、特定のコミュニティや属性に影響力のあるインフルエンサーを起用した「インフルエンサーマーケティング」(※)が盛んです。YouTubeやInstagram、Twitterなどのソーシャルメディアを中心に、インフルエンサーに情報発信してもらうことで、企業のブランドやメッセージの浸透、商品の認知獲得を図ります。

(※)インフルエンサーへの依頼については、消費者・生活者が不利益を被ることが無いよう、業界団体などの活動ガイドラインを遵守する必要があります。下記ご参照ください。

  WOMJガイドライン(2017年12月4日release) WOMJガイドライン WOMマーケティング協議会



目次[非表示]

  1. 1.可視化しづらいインフルエンサーの「文脈」を掴む
  2. 2.“裏切り”を嫌うソーシャルメディアのユーザー
  3. 3.文脈を理解する3つの視点①「本人」②「フォロワー/ファン」③「第三者」


可視化しづらいインフルエンサーの「文脈」を掴む


企業側はインフルエンサーを選定する際に、ついフォロワー数など可視化されている「数」だけを基準にしがちです。しかし数だけでなく、重視したいのは数値では可視化されづらいインフルエンサーが持つ「文脈」です。

ここでの文脈とは「本人と他者の間で共有されている暗黙の人格」と捉えます。「文脈」の構成要素としては下記などが挙げられます。

・活動の背景やきっかけ
・過去の投稿
・日頃の投稿やスタンス
・ファン/フォロワーからの期待、反応、距離感
・その領域の専門性  など

 インフルエンサーが持つ「文脈」を把握した上で、企業の商品やサービスをどう役立ててもらえるかを検討するとよいでしょう。



“裏切り”を嫌うソーシャルメディアのユーザー


一方で、タイアップにおける文脈のミスマッチは、ファン/フォロワーが敏感に反応し、インフルエンサー側だけでなく、依頼した企業側のブランド毀損(きそん)にもつながります。

 「フェイクニュース」や「ステルスマーケティング」などが社会問題化している昨今、ソーシャルメディアのユーザーは、投稿の信ぴょう性に対してさらに厳しい目を向けるようになっています。

インフルエンサーが対価を受け取って宣伝行為をしていることを明示するために、企業やブランド名に加え、「#プロモーション」もしくは「#PR」といった文言を付け、企業との関係性を明示して投稿することがルールとなっています。

 たとえタイアップであっても、インフルエンサーが「嘘をついていないか」「無理矢理言わされていないか」を確かめるため、自ら以下のような行動を取ることも珍しくありません。



文脈を理解する3つの視点
①「本人」②「フォロワー/ファン」③「第三者」


ソーシャルメディア上でユーザーがこのような行動をとることもある中で、企業側はインフルエンサーの「文脈」をどうすれば理解できるのでしょうか。

 PRX-Qでは、投稿のいいねやコメント数だけでは分からない文脈を理解するために、「本人」「フォロワー/ファン」「中立的な第三者」の3つの視点から、その案件にとって最適なインフルエンサーをリサーチしています。

 まず一つ目は、「本人」の発信です。パーソナリティ、キャラクター、代表的な考え方、スタンスを本人の投稿などから紐解き、他者(フォロワー/ファンなど)にどんな感情、反応を起こそうとしているのかを読み取ります。また、他者との距離感も重要で、コメント返しの内容や頻度などから、友だち感覚、同志、専門家と聴衆、推される人と推す人など、どんな関係性を築いているのかを見ています

 例えば「育児」「マンガ」など、同じカテゴリに分類されるインフルエンサーでも、発信の仕方や距離感が異なるので、「ひとまとめにしない」ことがポイントです。

 二つ目は、本人に近い他者として「フォロワー/ファン」の発信です。インフルエンサーへ期待することは、「参考になる」「応援したい」「憧れている」「話を聞いてもらいたい」などニーズはさまざまです。ファン側のコメントや投稿から、何を期待しているのか、なぜフォローしているのかを探ります。

 そして最後の三つ目は、「中立的な第三者」の評価を確認します。例えば、その領域に関する書籍を出版している、専門WEBメディアに取材を受けて記事になっている、専門企業や団体に所属しているなど、その領域の専門家/キーパーソンとして捉えられているかをチェックします。世間からの評価を確認することで、フォロワー/ファンと世間が抱くギャップに気付くこともできます。ソーシャルメディア上でその人がどのように語られているか、検索エンジンで調べてみたり、インフルエンサー専門のニュースメディアなどをチェックしてみたりすることも効果的です。

 以上の3つの視点から、事前にインフルエンサーの文脈を把握することは、企業のタイアップ案件を投稿した際、フォロワー/ファンがどういった反応をし、その先にどのように広がっていくかを想定することにもつながります。

 今回は、タイアップのミスマッチを防ぐために、インフルエンサーの「文脈」を知るための視点を解説しました。最後までお読みいただき、ありがとうございました!


PRX Studio Qは、PRエージェンシー発のプランニング専門チームです。インフルエンサーを活用した企画など、企業やブランドのコミュニケーション設計を行っています。


出典:https://note.prx-studio-q.com/n/n9842a945df03

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。


深谷 朋宏
深谷 朋宏
株式会社 電通PRコンサルティング PRX Studio Q デジタルPRプランナー/事業開発ディレクター 1993年生まれ。デジタルやソーシャルメディアを絡めたPRが得意です。電通で2年ビジネスプロデュースを経験後、現在はSNSでの拡散を前提とした情報流通設計/コンテンツ開発を主に担当しています。事業開発もしています。新しいものと流行りものが好きです。受賞歴は、Global SABRE Awards、PR AWARDS ASIA、ACC CREATIVE AWARDSなど。 ❤ SNS YouTube ゲーム 旅行

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