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【徹底解説】情報流通構造®~PR戦略に欠かせない「情報が広がる仕組み」とデザイン

「自社やクライアントの商品・サービスを、話題にしたい――」。PRに関わる人なら誰でもそんな気持ちを持ったことがあるでしょう。しかし、どんなによい商品やサービスであっても、やみくもに情報発信をしているだけでは伝わらず、注目されるようになるのは難しいものです。

そこで鍵となるのが、情報が広がる仕組みを ひもといた「情報流通構造®」です。


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目次[非表示]

  1. 1.「情報流通構造®」とは?
  2. 2.ヒットコンテンツの情報流通構造例
    1. 2.1.STEP1
    2. 2.2.STEP2
    3. 2.3.STEP3
  3. 3.ニュースは「イケてる」→「キテる」を繰り返している
  4. 4.「キテる情報」につながる確率を上げるには?


「情報流通構造®」とは?


こんにちは、PRX Studio QのPRプランナー佐藤佑紀です。ソーシャルメディアを起点としたPRプランニングやコミュニケーションの企画立案を得意としています。

今回は、PRに関わる人が知っておきたい「情報流通構造®」についてまとめます。「情報流通構造®」とは、テレビ番組や新聞、ソーシャルメディアといったメディアを通じて情報が広がっていく道筋を調査し、その法則性を分析したものです。実は、電通PRコンサルティングが情報流通構造の調査を始めたのは2009年頃。その頃は「Yahoo!ニュースに取り上げられるためにはどうすればいいのか」ということに注目が集まった時期でした。当時、情報の広がり方に大きな変化があったタイミングであり、それ以降、定期的に調査を行っています。

メディアといっても、テレビ番組や新聞だけでなく、ブログやネットニュースのポータルサイト、生活者が直接発信するTwitterやInstagramなどのソーシャルメディアまで、メディアも多種多様に変化しています。それと同時に「メディアで情報が広がっていく」道筋もまた、変化し続けています。

例えば、個人のTwitterアカウントのたった一つの投稿がきっかけで情報が一気に拡散され、テレビ番組まで波及するといった現象は、今では珍しくありません。いわば情報流通構造を理解することは、PR戦略を立てるためのスタートラインです。これを知らないまま、ただプレスリリースを出し続けているだけでは、手応えを感じられないことも多いでしょう。


ヒットコンテンツの情報流通構造例


上図は、情報流通構造を簡易的にSTEP1~3としてまとめたものです。

「話題になる」ことを考えたときに、真っ先に思い浮かぶのがテレビ番組などマスメディアで取り上げてもらうことでしょう。しかしその段階は、実は情報流通構造において、多くの場合STEP3に位置します。

衝撃的な情報やまだ世にない新発見の一次情報など、よほどインパクトが大きい情報でない限り、一足飛びにマスメディアに取り上げられることは難しいものです。

そこで、企業やブランドが、最初に意識したいのが、STEP1と2です。


STEP1

企業やブランドが公開したプレスリリースや自社のソーシャルメディアでの投稿、広告がある一定のコミュニティや属性で爆発的にヒットすることを目指します。そのコミュニティにおいて、企業やブランドの情報が“イケてる”情報として認識されることで、STEP2に進みます。

STEP2

STEP2では、WEBメディアで「話題になっていること」自体がニュースになったり、多くの人が「いいね!」したりすることで、別のコミュニティや属性の反応を生み出すことにつながります。例えるなら「情報のバケツリレー」のように、次から次へと情報が渡っていくイメージです。

STEP3

ここでSTEP3のマスメディアが登場。マスメディアは、話題になっていることの「現象や背景」を、ニュースとして取り上げます。いわば、テレビ番組は「現象を取り上げるメディア」。今これが“キテる”情報だから見逃してはいけないと、ヒットした現象を掘り下げ、さらに波及していきます。

ソーシャルメディアが隆盛した今の時代では、流行しているという現象自体が、「いいね!」や「リツイート数」として数値化され可視化しやすくなりました。新しく生まれたヒットの兆しを見つけやすいプラットフォームが出来上がっているともいえます。


ニュースは「イケてる」→「キテる」を繰り返している



メディア別にSTEP1~STEP3と分けて情報流通構造®を説明しましたが、STEPが進む過程において総じて行われているのは、「イケてる」情報(局所的な熱狂)が「キテる」情報(話題のマス化)に変わることで、より拡散されるという「情報の波及」です。

身近な事例でいうと、度々話題に上る「流行のスイーツ」もこの法則に乗っていることも多いです。始まりは、とあるスイーツショップがスイーツを発売。海外で今人気のスイーツが「初上陸」という情報だったり、常連のお客さんがソーシャルメディアに投稿して「いいね!」がたくさん集まったり。まずは、一部のコミュニティで「イケてる情報」が生まれます。それを見てブームの兆しを感じ取った他のショップやメーカーが参入することで、「ブームの現象」としてマスメディアも取り上げていき「キテる情報」になっていきます。話題が話題を呼び、次々に情報が広がっていく構図です。


「キテる情報」につながる確率を上げるには?


いきなり「キテる情報」を狙うのではなく、まずは一定のコミュニティや属性に「イケてる情報」として、そこから小さな波紋をつくっていくことが必要です。そのためには、企業やブランドが主語で「自分を語る」だけではなく、コミュニティや属性の関心ゴトに沿った「語りたくなる」情報になっていることは欠かせません。

また、いくつかのコミュニティが反応してくれそうなメッセージを複数用意することで、STEP1の「イケてる情報」になる確率をあげることも一つの手段です


出典:https://note.prx-studio-q.com/n/naad069276b63

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。


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PRX編集部
PRX編集部
電通グループ内のPR領域における専門会社「電通PRコンサルティング」が運営するオウンドメディアです。1961年の創立以来、国内外の企業、団体をサポートしてきた経験・実績をベースに、電通PRコンサルティングならではの視点で、PRの基礎から最新PRトレンドやソリューションまで幅広くお届けします。

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