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【TikTok/YouTube実践活用術】 インフルエンサー動画活用 成功のポイント

ソーシャル動画マーケティング領域のリーディングカンパニー

「BitStar」共同創業者 原田直さんに聞く


電通PRコンサルティング「PRXマガジン」では、これまでも多元化する情報流通構造を踏まえて、さまざまなPRコミュニケーションやプランニングのポイントをご紹介してきましたが、近年、特徴的な変容を遂げているのが、Z世代(※1)のカスタマージャーニーや情報流通構造です。特に、当世代を対象とした、マーケティングやブランディングを設計する際、独特の情報取得行動や購買行動の理解なく、効果的なコミュニケーション・デザインは困難です。

本記事では、ソーシャル動画マーケティング領域において国内最大級のプロモーション実績を誇るBitStar(※2)共同創業者 原田直さんと共に、Z世代において変容する情報流通の在り方を踏まえつつ、動画投稿・共有メディア「YouTube」「TikTok」の徹底活用術を、全2回にわたり紹介します(本記事が2回目)。


(※1)Z世代に明確な定義はありませんが、1990年代中ごろ~2010年生まれの若者を指すことが多く、特徴は、デジタルネイティブ(スマホネイティブ/ソーシャルネイティブ)で、環境や社会問題に対する関心が高く、多様性への意識が強い世代だといわれることが多いようです。当記事では、スマホ/ソーシャルネイティブな若年層の代表的な呼称として、「Z世代」と呼んでいます。

(※2)電通PRコンサルティングとBitStar社は、2020年業務提携を締結。BitStar社の、卓越したShared領域(特にソーシャル動画マーケティングやインフルエンサー・マーケティング)での知見や実績を、電通PRコンサルティングの情報流通デザイン力における、武器の一つとして、いかんなく発揮していただいています。


第1回目記事はコチラ

  【TikTok/YouTube活用の基本知識】 「Z世代」の変容する情報取得行動を読み解く 近年、特徴的な変容を遂げているのが、Z世代のカスタマージャーニーや情報流通です。とくに、当世代を対象としたマーケティングやブランディングを設計する際、独特の情報取得行動や購買行動の理解なく、効果的なコミュニケーション・デザインは困難です。本記事では、ソーシャル動画マーケティング領域において国内最大級のプロモーション実績を誇るBitStar共同創業者 原田直さんと共に、Z世代において変容する情報流通の在り方を踏まえ、動画投稿・共有メディア「YouTube」「TikTok」の徹底活用術を、全2回にわたり紹介します(本記事が前編)。 「PR X」マガジン|すべてのビジネス領域に、PRの技術を|株式会社電通PRコンサルティング


目次[非表示]

  1. 1.新時代のインフルエンサー・マーケティング
  2. 2.YouTube/TikTok徹底活用術
    1. 2.1.「YouTube」におけるインフルエンサー像
      1. 2.1.1.❶「アイドル型」
      2. 2.1.2.❷「ロールモデル型」
    2. 2.2.「TikTok」におけるインフルエンサー像
  3. 3.最後に~Z世代と情報流通デザイン



新時代のインフルエンサー・マーケティング


それでは、いよいよ動画投稿・共有サイトを活用したインフルエンサー・マーケティングのポイントについて、教えてください。



これまで、動画投稿・共有メディアの特徴を整理してきました。具体的にプラットホーム別に成功するインフルエンサー起用のポイントを考察する前に、そもそもの「インフルエンサー」に対する定義や位置づけを明確にしておきたいと思います。




インフルエンサーといえば、タレントや有名人、またはそれに近いスターの卵のようなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ですが、原則的には、インフルエンサーは人間であり、生活者の一人なのです。例えば学校のクラスや会社のチームには複数の友達や仲間がいて、それぞれに尊敬できる部分がありますよね?「この分野については彼女に意見を聞きたい」「こういう気分の時は彼の話で元気になりたい」…そのような親近感がありながら自分に影響力を与えてくれる存在、それが「インフルエンサー」なのです。

今はその存在を、デジタルデバイスを通じて全ての人々がオンライン上に集められる(フォローできる)状態にあります。特にスマホネイティブであり“自分の好きを追求する”傾向にあるZ世代には、四六時中頼れる場所であるとも言えます。

つまり、インフルエンサーと視聴者は双方向のコミュニケーションで成り立っているのです。インフルエンサー側が自分の愛するコンテンツを自発的に発信するのと同時に、また視聴者側もコンテンツを選んでいるため、本来、需要と供給がマッチした上で育まれていく関係にある存在とも言えます。

要するに、インフルエンサーと視聴者は対等であることが重要であり、どちらか一方をないがしろにした企業タイアップ広告は意味をなさない。その前提の上で、効果最大化のためのインフルエンサー施策を考えることが重要なのです。



もちろん、業界的にもユーザーの利便を阻害するような「ステマ(ステルスマーケティング)」の根絶を促進する動きは活発ですし、われわれBitStarも電通PRコンサルティングも同様の強い意志を持っています。ですが、それ以上に、インフルエンサーが評価されている文脈と、ユーザーが関心を有する文脈とのマッチングが最適化しない限り、効果があがるような施策にはならないのです。プラットホームをも飛び越えた、「本質的な共創価値の重視と逆算の上に、インフルエンサー・マーケティングは成り立っていること」。これをまずは覚えておいていただきたいと思います。

インフルエンサー側、視聴者側も企業タイアップという仕組みを当たり前に知り、能動的な信頼や熱量の上で成り立っている関係値の上で、宣伝色を隠し、強引な「ステマ」をインフルエンサーに依頼した場合、スポンサー企業のイメージはもちろん、そのインフルエンサーを取り囲むコミュニティそのものを壊すことになりかねないのです。


  タイアップする前に知っておきたい!インフルエンサーの「文脈」とは? 企業がプロモーションにインフルエンサーを起用するタイアップ案件。インフルエンサーと組むことで、多くの人から共感を得ることにもつながります。その一方で、期待した効果がなかった…というケースも。企業とインフルエンサーのミスマッチを防ぐために、押さえる文脈と3つの視点とは? 「PR X」マガジン|すべてのビジネス領域に、PRの技術を|株式会社電通PRコンサルティング


―これはプラットホームを超えた原則、ということですね。


はい。例えばショート動画、流行していますね。実際に弊社のデータでも再生獲得に寄与しやすいことは分かりますし、研究すべき手段です。でも、その最新の手段を整理していきながら、一方でユーザーとプラットフォームに頼らない、変わらない関係値を築いていきたい。そんな本質のつながりこそが、インフルエンサー・マーケティングを支えているのです。


YouTube/TikTok徹底活用術



―それでは、具体的に、YouTubeやTikTokで、インフルエンサー・マーケティングを進めるためのコツを教えてください。


まずはそれぞれのプラットホームで評価される、インフルエンサーの文脈を理解しないといけません。


「YouTube」におけるインフルエンサー像


「YouTube」のインフルエンサー像は、大きく二つのタイプに分かれます。

❶「アイドル型」

ルックスや言動をリスペクトされるインフルエンサーであり、コメント欄にはインフルエンサー本人に関する言及が目立ちます。なお、新ブランドの認知拡大やイメージの定着にはアイドル型が適すると考えられます。

❷「ロールモデル型」

行動・習慣・考え方をリスペクトされるインフルエンサー。コメント欄には、インフルエンサー本人ではなく、コトやモノ、行動や習慣に関する言及が目立つため、ブランド理解の深化と購買促進にはロールモデル型が適すると考えられます。


この二つのタイプはくっきり分かれるものではなくグラデーションがあり、両面の要素を兼ね揃えたインフルエンサー「キメラ型」というタイプも存在しています。

これらのタイプは、レスポンスに大きな違いが生まれるようです。具体的には、「アイドル型」は再生数の伸びに効果的であるのに比べ、「ロールモデル型」はその先の購入数の伸びに対して効果的なインフルエンサーであると言えます。つまり、今必要なのは「認知」フェーズの施策なのか?購買フェーズの施策なのか?目的を定めた上で、それぞれの特徴を踏まえて起用を考える必要があります。




「TikTok」におけるインフルエンサー像


次に、「TikTok」のインフルエンサー像についてご紹介します。

「TikTok」は、視聴者から良い反応が得られる「コンテンツ」が評価をされ、さらに拡散されるプラットホームです。よって、どういったコンテンツで視聴者とのエンゲージメントが強くなるのか?から逆算して、インフルエンサーの起用を検討しなくてはなりません。

現状分かってきたのが、こちらのプラットホームにおいても、コンテンツには二つのタイプあるということです。一つは「感情に訴える」タイプのコンテンツ。そしてもう一つが「役に立つ」タイプのコンテンツです。

われわれは、それぞれのタイプの中でより良い評価を得られるコンテンツを「型」化して考え、そのフォーマットをどう捉えていくのかをプランニングに活用しています。

つまりTikTokerとタイアップを行う場合、まずは商品やブランドのマーケティング課題から考え、次に「誰にどんな情報を届けるのが有効なのか」から、TikTokに評価される「どのフォーマットにのるべきか?」を選んでいくわけです。ただし、多種多様なフォーマットがあるため、何がヒットするか分からない部分もまだまだ残っていますので、「型」の研究は常に続けていなければなりません。想定される成功イメージをいくつか用意し、それを試しながらレスポンスを見つつ、PDCAサイクルを回していく。「TikTok」はこれらをAIで判断して、良質なコンテンツであると判断したものはピックアップして挙げていってくれる。これらがTikTokを活用したマーケティング活動の最大の特徴だと考えられます。

時に、TikTokerが作った「TikTok」に最適化されたショート動画のクリエイティブを広告配信することで、認知~理解促進~購買まで一気通貫でアプローチすることが可能になるケースも生まれており、今最も注目のプラットホームの一つです。



最後に~Z世代と情報流通デザイン



―最後に、これらの前提を踏まえ、改めて、今われわれが知っておくべき、Z世代に特徴的なユニークな情報取得行動について、教えてください。


全世代的な傾向でもありつつ、特に「Z世代」に特徴的な情報取得行動が、Sharedメディア、中でも動画投稿サイトを通じたインフルエンサー動画情報のザッピングによる理解と信頼の蓄積であることを説明しました。またさらに、一口に「動画投稿・共有サイト」といっても、個性も特徴も仕組みも異なることをご紹介しました。

ここで一つ、Z世代の新しい情報取得行動としてぜひ考慮していただきたいのが、「TikTok動画」→「YouTube動画」のザッピング行動にあります。つまり、「認知」を得る情報との出会いは、いまや「ニュースメディア」のみの役割ではありません。特に、「AIリコメンド」が有効に機能している「TikTok」こそが、Z世代にとって新しい情報との出会いの場となっています。

その上で、興味関心を持った情報に対して、どういう行動・リサーチで理解を深めるのか?それについても、「YouTube動画」での検索行動に移ることが多いようです。もちろん、公式アカウント情報や一般ソーシャルメディアでの情報の両方に接触し、リサーチ行動を起こします。ただ、この世代にとっては、情報へのファーストコンタクトは動画であることが多い。すなわち、ショート動画(認知関心)→長尺インフルエンサー動画(理解)→長尺インフルエンサー動画(比較・理解)を繰り返して、信頼を蓄積して購買行動に行きつくことも多いようですので、彼らの行動様式に関するさらに具体的なリサーチや分析が必要になってくるものと考えています。


今後、Z世代に効果的な情報流通を考えるに当たっては、こうした動画から動画へのカスタマージャーニーも踏まえた情報の2次流通、3次流通を考慮する必要があるかもしれません。


本記事の前編はこちら

  【TikTok/YouTube活用の基本知識】 「Z世代」の変容する情報取得行動を読み解く 近年、特徴的な変容を遂げているのが、Z世代のカスタマージャーニーや情報流通です。とくに、当世代を対象としたマーケティングやブランディングを設計する際、独特の情報取得行動や購買行動の理解なく、効果的なコミュニケーション・デザインは困難です。本記事では、ソーシャル動画マーケティング領域において国内最大級のプロモーション実績を誇るBitStar共同創業者 原田直さんと共に、Z世代において変容する情報流通の在り方を踏まえ、動画投稿・共有メディア「YouTube」「TikTok」の徹底活用術を、全2回にわたり紹介します(本記事が前編)。 「PR X」マガジン|すべてのビジネス領域に、PRの技術を|株式会社電通PRコンサルティング



※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。

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PRX編集部
PRX編集部
電通グループ内のPR領域における専門会社「電通PRコンサルティング」が運営するオウンドメディアです。1961年の創立以来、国内外の企業、団体をサポートしてきた経験・実績をベースに、電通PRコンサルティングならではの視点で、PRの基礎から最新PRトレンドやソリューションまで幅広くお届けします。

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