【メディアプランニング新時代03】SNS投稿起点の情報流通デザイン「10の切り口」



「自分たちのTwitter(注)投稿が記事に!?それは難しいですよ…」。


そう思っている広報/ソーシャルメディア運用担当の皆さんに朗報です!実は最近、企業が自社のソーシャルメディア・アカウントから投稿するコンテンツに注目が集まり、新聞、テレビ、Webニュースサイトなど様々なメディアで報道、紹介化されるケースが急増しています。その理由はどこにあるのか、そして自社の投稿に注目を集めるためにはどうすればよいのか?

その秘密を探るべく、電通PRコンサルティングでは、「Sharedメディア→Earnedメディアへの波及調査」を実施。当社統合コミュニケーション局 鶴岡大和が、当調査結果とともに、ソーシャルメディア投稿起点の情報流通デザイン術「10の切り口」について紹介します。



(注) TwitterがX(エックス)と名称変更しましたが、本ブログ中では旧Twitterの表記で記載しています。




目次[非表示]

  1. 1.企業の「実用的な投稿」がメディアにとって重要な情報ソースに
  2. 2.記事になりやすいTwitter投稿「10の切り口」とは?
  3. 3.PESOメディア全体を俯瞰して、さらに効果的な広報活動を
  4. 4.電通PRC-PRX事務局からのご案内







企業の「実用的な投稿」がメディアにとって重要な情報ソースに



―企業公式Twitterの投稿をきっかけとした記事が増えてきたということですが、その背景や理由について教えてください。



「ソーシャルメディアでの投稿を情報ソースとした記事」というのは以前からありました。しかし特に昨年2022年ごろから、「真面目で実用的な」投稿の取り扱いが増えてきているという傾向が強く見られるようになりました。まずは、その理由として考えられるポイントを、「企業」「ユーザー」「メディア」という三つの観点から解説したいと思います。



企業:アカウント運用方針が「親しみやすさ」から「実用性」に

まずは、企業アカウントの運用方針の傾向が変わってきたことが挙げられます。以前はいわゆる「中の人」に代表される、アカウントに人格を持たせた運用がトレンドになっていました。投稿についても「面白さ」や「親しみやすさ」を重視したものが多かったように感じます。

もちろん今でもこのようなアカウントは数多くありますが、これらはいずれも、ソーシャルメディア運用担当者個人のセンスやリテラシーに委ねる部分が大きかったり、先鋭的なコメントや一部のコミュニティのみで受け入れられている「ノリ」を持ち込んでしまう事で、常に「炎上リスク」と隣り合わせであることに加え、「再現性」の観点でも難しい面がありました。

そこで、もう少し地に足の着いた、「その企業だからこそ知っている専門的、実用的な情報発信」を中心に発信する、企業・団体アカウントが増えてきています。



ユーザー:フォローするアカウント以外の「バズった投稿」に触れるきっかけが増えた

もともとTwitterはニュースやトレンドなど、情報収集を目的として利用している人が多いSNSといわれており、ユーザーが役立つ情報を求めている環境があると言えます。

その中でTwitterの仕様が変化し、フォローしているアカウント以外のおすすめ投稿のタイムライン表示が増えました。ユーザーの関心に合うと判断されたアカウントの投稿や、拡散しつつある、あるいはすでに拡散した投稿がおすすめされる形ですが、その中には企業が発信する実用的な情報も多く含まれます。そのような投稿に対してユーザーが「いいね」や「リツイート」したりといった反応をすることで、以前より話題になりやすい環境となっているとも言えるのです。



メディア:コロナ禍を経て、ソーシャルメディアがより重要な情報ソースに

一つの節目としては、コロナ禍があります。以前からソーシャルメディアをチェックしている、マスメディアも数多くありましたが、コロナ禍で思うようにオフラインでの取材が出来なかった事から、メディア記者の情報ソースとして、ソーシャルメディアの重要性が、これまで以上に高まっている事も、その要因として考えられるでしょう。

今では、編集部内にチームを編成して、ソーシャルメディア内でのトレンドやユニークなコンテンツを組織的にリサーチするようなメディアも増えてきました。こうした事も、ソーシャルメディア内での発言が、より注目されるようになってきた一因と言えます。

またこうした背景を受けて、企業・団体サイドも、ソーシャルメディアを活用しながら、工夫してさまざまな投稿を行ってきており、コンテンツとしての質が全体的に向上している事も理由に挙げられます。




記事になりやすいTwitter投稿「10の切り口」とは?



―なるほど、SNS投稿の情報ソースとしての価値が上がり、さらに接点が増えたことによって記事になる機会が増えてきたのですね。その中で、どのような投稿が記事になりやすいといった傾向はあるのでしょうか?




私たちはTwitterで拡散したツイートが情報ソースとなり、Webメディアで記事化した事例を分析した「Sharedメディア→Earnedメディアへの波及調査」を実施しました。独自のクエリでヒットしたWebニュースは毎月約2万件。この記事の内容を定性的に分析していった結果、大きく分けて10の切り口があることが分かりました。それが下記の「PR Extension」です。





例えば「プロ知識」。このトレンドを象徴する切り口だと考えています。ちょっと専門的な知識を生活の役に立つ豆知識に変換していたり、生活者への注意喚起に結び付けたりするような内容が該当します。

警視庁警備部災害対策課のアカウント(@MPD_bousai)は「(傷病人の)疲れにくい背負い方」「靴の裏にばんそうこうを貼ると雪でも滑りづらい」など、警察の現場でも活用されているもので、普段の生活の中でも使える投稿をトレンドが来る前から数多く行っています。また、コロナ禍においては食品メーカーをはじめ多くの企業・団体がその知見を生かしたレシピを紹介していました。プロならではのアイデアを生活者がより使いやすいように工夫されたツイートも多く、これもプロ知識を表現したものと言えます。



  https://twitter.com/MPD_bousai Twitter




―分析をしていて、「上手な運用をしている」と感じた企業はありますか?



先ほどお話しした「食品ジャンル」で考えると、全農広報部さんのアカウント(@zennoh_food)などは、大変工夫されたソーシャルメディア運営を行われていると感じます。



  https://twitter.com/zennoh_food Twitter



まずこのアカウントでは、日常的に、旬や話題になっている食材をテーマとしたレシピを紹介しています。投稿頻度も毎日ではなく、数日〜2週間くらい空くこともあるんです。どうしても「毎日投稿しなくては」という強迫観念を持ってしまいがちですが、内容がよければしっかりとエンゲージメントを獲得できるという意味で、運用視点で無理をしていないところも参考になります。

また、牛乳の廃棄が問題になった時には、過去の投稿を再度活用してまとめレシピの形で紹介していました。これも継続的にコツコツ投稿していることで、タイミングを逃さずうまく活用できた好事例だと思います。



またそれ以外で、、魅力的な企業のソーシャルメディア・アカウントといいますと、和平フレイズ(@waheifreiz)さんという新潟の調理器具メーカーが挙げられます。



  https://twitter.com/waheifreiz Twitter



「水筒の底に貼ってあるシールははがさないでね」「ふっ素樹脂加工のフライパンを熱する時には先に油を引いてからにしてね」など、製造している商品のカテゴリの豆知識を紹介しています。投稿によっては高いエンゲージメントを獲得しており、企業の知名度ではなく、コンテンツの精度が重要であることを教えてくれるアカウントです。



―記事につなげていくための運用・投稿のコツについて教えてください。



一つの投稿に全身全霊を懸けてバズを生み出すことを目指すのではなく、日々の投稿を繰り返していく中でPDCAを回しながらチャレンジしていくという姿勢が大切であると考えています。自身の投稿内容の結果だけでなく、参考になるアカウントをピックアップしてチェックしてみたり、関連のあるクエリ(キーワード)を設定して拡散している企業・ブランドの投稿を追いかけてみたりするなど、継続的に内外含めて分析していくことも大切です。

クリエイティブの面で言うと、記事に波及する投稿は圧倒的に画像が多いので、できるだけ投稿ごとに準備しましょう。ただ、クオリティーが必要かというとそういうわけでもなく、スマホで撮った画像にワンポイントの説明を入れたり、注目してもらいたい箇所に矢印を入れたりするなど、「分かりやすさの一工夫」を意識するのがよいと思います。

なお、「話題になるというのは、具体的にどの程度反応された投稿なのか?」という事も良く、お客様から質問されます。メディアへのヒアリングや過去の傾向を見ていると、私たちは「1,000RT」が一つの基準であると考えています。このくらいの反応があるとメディアの担当者に注目されやすくなるのです。リレーションを持つメディアに対して、広報担当者から情報提供してみてもよいのではないでしょうか。




PESOメディア全体を俯瞰して、さらに効果的な広報活動を



―ありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。



「ソーシャルメディアでいかに話題にするか?」ということを一生懸命考え、工夫していくことは重要です。しかし、それはあくまで目的は「ソーシャルメディアでバズらせる」ことではなく、「生活者に効果的に情報を届ける」ことを間違えてはいけません。その観点からすると、今回紹介した、企業アカウント事例のように、ソーシャルメディアを期ししながら、マスメディア等でのパブリシティーに広げていく事にチャレンジをするなど、PESOメディア全体を俯瞰した取り組みをすることが、これまで以上に重要になっているように思います。

なお、電通PRコンサルティングには、ソーシャル・ブランディング・ユニット(SBU)というSNSに知見や実績のあるメンバーが集まってた社内の組織横断型のチームがあります。私もその一人ですが、全員がPRスキルをバックグラウンドに持ったメンバーで構成されており、「PESOメディア全体をニュートラルに見渡した中での、ソーシャルメディアの効果的な活用方法」などに関するご提案やアドバイスを行っています。自社ソーシャルメディア・アカウントの運用に関して、もしお困りの事やお悩みなどがございましたら、ぜひお気軽にお声掛けください。

最後になりましたが、「SharedメディアからEarnedメディアへの効果的な情報流通デザイン」に未だチャレンジされていない企業の方々にとっては、まずは、「全体の広報戦略における、自社ソーシャルメディア・アカウントの位置付けや役割をどう設定するか?」などから考え始めては如何でしょうか?





※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。




電通PRC-PRX事務局からのご案内


電通PRコンサルティングでは、当社オリジナルのメディアプランニング手法「情報流通デザイン術」についてまとめたお役立ち資料をご提供しています。ぜひ下記よりダウンロードして、資料をご覧ください。


  【徹底解説】情報流通デザイン「C→PESO」プランニング術 情報が溢れかえる時代、PR/メディア・プランニングの考え方も大きく変化しています。では、情報はどのように創り、届けるのが効果的なのでしょうか?そして「人々の記憶に残り、意識や行動変容を促すコミュニケーション」とは?これらに答えるべく、当社が提案する「情報流通デザイン『C→PESO』」モデルによるPR/メディア・プランニング術を徹底解説しました。是非ご覧ください。 「PR X」マガジン|すべてのビジネス領域に、PRの技術を|株式会社電通PRコンサルティング







鶴岡 大和
鶴岡 大和
株式会社 電通PRコンサルティング PRX Studio Q ソーシャルハンター/ PRコンサルタント 2016年電通PR入社。ソーシャルメディアの声やデータから世の中の新しいイシューや関心事、その裏に潜むインサイトを捕まえて(ソーシャルハンティング)PRのプランニングとコンサルティングに日々取り組んでいます。「ソーシャルハンター」を名乗って活動中。ソーシャルリスニングもします。Twitterの自由研究がライフワーク。 ❤ Twitter 野球 ボドゲ 茶道 ラジオ

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