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“記事にしたくなる”プレスリリースの書き方とは?メディア掲載を狙うコツと具体例

広報・PR活動の基本となる、メディアや世の中に向けたプレスリリースの発信。企業側がメディアへの掲載を狙う一方、メディアの元には日々、大量のプレスリリースが届き、情報が埋もれてしまうことも…。

メディアへの掲載率をアップさせるために、効果的なプレスリリースの書き方はあるのでしょうか?

創立から60年以上にわたり、企業のメディアリレーションズ活動をサポートしてきた電通PRコンサルティングが、「メディアが取り上げたくなる」プレスリリースの書き方について解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.メディアの元に一日1000通?「読まれる」プレスリリースとは
  2. 2.「読まれる」プレスリリース 考え方のコツ
    1. 2.1.プレスリリースは記者・編集者に読ませるもの
    2. 2.2.「内部資料的」表現から「対外資料的」表現へ直す
    3. 2.3.「社会との関わり」が分かりやすく書かれているかが重要
    4. 2.4.「客観的事実」を記載し「自己評価」をしない
    5. 2.5.可能な限り1センテンスを短く!
    6. 2.6.「報道用資料」であるリリースに過剰な丁寧さは逆効果!
  3. 3.プレスリリースに必須の「5W1H」
    1. 3.1.プレスリリース 構成のポイントは?
    2. 3.2.タイトル
    3. 3.3.リード
    4. 3.4.本文
    5. 3.5.+α情報
    6. 3.6.問い合わせ先
  4. 4.メディアに聞いた「良いプレスリリース」とは 
  5. 5.“メディア視点”のプレスリリース作成を


メディアの元に一日1000通?「読まれる」プレスリリースとは


プレスリリースとは、自社のサービスや商品に関する未公開の新情報を分かりやすく文章化して、メディアや世の中に伝える公式文書のことをいいます。企業が迅速かつ的確に情報開示するための手法として、プレスリリースは使われます。

プレスリリースには下記のように、さまざまな種類があります。


  1.  商品・サービス情報…新商品、販売、販促など
  2.  経営情報…事業、決算、提携・合併、人事など
  3.  技術情報…研究開発、新技術など
  4.  その他事業情報…社会貢献、地域活動、周年事業など
  5.  話題づくり…キャンペーン、動画、調査結果など


「生活者に伝えるべき情報」とメディアに判断されたプレスリリースの情報は、ニュースとして“客観的視点”で社会に広く伝わっていきます。メディアに取り上げてもらうと、多くの人の目に触れ、社会に広く認知してもらうことができます。プレスリリースは、“ニュースのもと”といえるでしょう。

一方で、メディア側には、国内、国外、経済、事件・事故など、実に多くの情報が入ってきます。リリース配信プラットフォームの普及に伴い、プレスリリースや案内状は、一日に約1000通届くといわれていて、その中で、分かりづらいプレスリリースは埋もれてしまう恐れがあります。

メディアは、大量に届くプレスリリースを読む時に、「タイトル」「リード」「画像」を見て、“ニュースバリュー”があるかどうかを短い時間で判断します。


「読まれる」プレスリリース 考え方のコツ


プレスリリースをメディアに読んでもらうためには、どうしたら良いのでしょうか。プレスリリースを書く際に重要な考え方をまとめました。

プレスリリースは記者・編集者に読ませるもの

記者・編集者が「記事」を通して一般生活者に有益な情報を届けるための「元ネタ・素材」といえます。


「内部資料的」表現から「対外資料的」表現へ直す

プレスリリースは、企画書や内部資料をベースに作成されているケースが多く、そのまま社内で使われている言葉や業界でしか通じない用語などが使用されているケースが散見されます。その表現は、初見で誰が読んでも分かる内容のものか、点検しましょう。


「社会との関わり」が分かりやすく書かれているかが重要

メディアが記事を書く際の視点に立つと、プレスリリースには、「社会」「暮らし」「ビジネス」にどんな変化をもたらすかが書かれていることが重要です。


「客観的事実」を記載し「自己評価」をしない

プレスリリースには、「客観的な事実」と、そこから導き出される「冷静な予測」を記述するようにします。自社の商品を過大評価してはいけません。名文・美文、主観的な評価も不要です。極力簡潔で、素直で読みやすい文章、レイアウトを心がけましょう。


可能な限り1センテンスを短く!

1センテンスは最大でも50文字、3行以内にしましょう。文章は極力短く!なくても意味が通じる言葉は不要です。
例)
✖…●●町では、来る2月11日から
◎…●●町は、2月11日から


「報道用資料」であるリリースに過剰な丁寧さは逆効果!

メディアに気を使い過ぎて過剰な丁寧語を使っているケースも目にしますが、それは逆効果です。「拝啓 時下ますます…」などのあいさつ文は入れません。「何らかの形でご紹介いただきますよう…」といった懇願する文章も不要です。


上記のほか、気を付けなければいけないのが、表現リスクです。近年は、差別的表現やジェンダー表現等、炎上が後を絶たない状況です。

一般的な差別語、不快語は、「記者ハンドブック 新聞用字用語集」(共同通信社)、「朝日新聞の用語の手引」(朝日新聞出版)を参考にしましょう。トレンド的炎上ワードは、日々のSNSウオッチや専門家によるチェック、ソーシャルリスニング等のモニタリングで対策しましょう。



プレスリリースに必須の「5W1H」


プレスリリースには、一般的な「型」があります。記者が「取材価値があるかどうか」を見極めるリードには、記者が記事を書く際に必要な、5W1H…When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)が必須となります。

さらに、How much・How many(数字)、Worth(価値)の要素も盛り込み、記事化につながる工夫をしましょう。記者は“客観的な事実を伝える”という観点から 、「来場見込み客は何人ぐらいか」「売り上げはどれくらいを見込んでいるのか」などの“数字”を重視します。また、生活者にとっての意味や値打ちも求められます。



本文では、リードの内容を受けてWhy(なぜ)、に関する説明をしていきます。Why(なぜ)の部分は、記者が必ず取材で聞くことだからです。

「生活の中での困りごとの解決」や、「社会課題への取り組み」「世の中がいま求めている(トレンドの波が来ている)」など、書けることがあれば必ず書きましょう。

例えば、「●●な問題の課題解決を見据え…」のように、開発・発売に至った背景(市場背景および経緯)を記載することが大切です。


プレスリリース 構成のポイントは?


プレスリリースは、重要な要素から順番に「逆三角形」(「結、起承転」)に書くのが正解といわれています。

タイトル

5W1Hを盛り込み、「何のリリースか」「ニュースバリューがあるかどうか」が一目で分かる見出しにしましょう。

リード

ニュースのエッセンスを凝縮し、リリースの核心に触れます。
・タイトルに記載した事項に関する「5W1H」を押さえる
・できれば「How much・How many」「Worth」も書く

本文

・製品・サービスなどの特徴、自社の開発経緯や背景を紹介
・記事などに使用可能なリリース製品・サービスなどのイメージ画像
・文章で表現しづらいものに関しては、「概要」として箇条書きに
・1ページで書き切れない要素は、2ページ目以降に添付資料などで補足する(1ページに全ての要素を詰め込まない、分かりやすく!)

+α情報

・リード文で触れた「Worth」を説明する具体的な情報を記載
・可能であれば、自社だけではなく“世の中”の情報も記載
 例)法改正・公的データ、調査・研究(エビデンス)
   該当商品以外の関連商品・店舗・レシピなど(モノ)
   専門家・インフルエンサー(ヒト)

問い合わせ先

メディアからの問い合わせが受けられる担当者・連絡先を記載しましょう。


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メディアに聞いた「良いプレスリリース」とは 


情報を受け取る側のメディアの状況についてもよく理解しておくと、良好なメディアリレーションを築くことができます。プレスリリースについて、いくつかメディア側の声をご紹介します。

某WEBメディア編集者
「毎日膨大な情報に目を通している立場から言うと、タイトルや見出しなどで要点を端的に表したものがいいリリースといえると思います。編集者はネタ探しのためにリリースを見るので、要点が分かりづらいと記事にはなりにくいですね」

某通信社記者
「例えば、サービスの情報であれば、発表がいつで、スタートがいつかが一目で分かるリリースがありがたいと思います。たまに、会社自体の説明にかなりの分量を割いている場合がありますが、不必要な情報が多ければ多いほど、リリースの情報価値は下がります」

キー局網編成局プロデューサー
「人を集めるために食いつきのいいキャッチフレーズをつけたり、多少誇張するのは構いませんが、あまりに実際の内容と懸け離れ過ぎていると、メディア側は裏切られたという感覚が強く残り、信頼を失うことになります。ですから、うそと言われても仕方のないような表現は厳重に慎むべき」

全国紙経済部記者
「リリースの内容や表現をそのまま引用しても客観性、中立性を保てるリリースが『好ましい』と考えている記者は多い。その意味で、『スタイリッシュボディー』や『圧倒的な高機能』というような抽象的・主観的な表現は最も困る。地味でも正確に、客観的に、が信頼できるリリースの第一歩。『圧倒的な』とすごい修飾語をつけても記者は驚かない。かえって疑心暗鬼になる」


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“メディア視点”のプレスリリース作成を


「メディア視点」は広報担当者には必須スキルです。ぜひ身に付けてください。

プレスリリースを送るだけではなく、日頃からメディアの方とのコミュニケーションも大切にしてください。親しくなった記者からメディア視点を学ぶことができれば、提供する情報の精度も上がり、パブリシティの獲得もしやすくなります。

電通PRコンサルティングでは、創立から60年以上にわたり培ってきたノウハウを武器に、メディアリレーションズ活動をサポートいたします。

電通PRコンサルティングの強み 

・メディア視点(生活者視点)に立った、情報作成力・情報発信力
・メディアごとに届ける情報を変える、マルチコンテクストアプローチ
・業界トップの歴史を持ち圧倒的な実績を誇る、テレビ専門のプロモート部隊
・電通グループだからこその信頼と実績


メディアリレーションズ構築およびパブリシティに関するご質問・ご相談などぜひ、お気軽にお問い合わせください。


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