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【企業のSNS活用】始め方と選び方は?運用に大切な3つのこと

デジタル化が進む現在、企業/ブランドの生活者に対する情報発信において、SNSはもはや欠かせないコミュニケーションツールとなっています。

しかし、企業が新たに公式SNSアカウントを立ち上げようとするとき、「何から手をつけていいか分からない」「どのSNSを使えばいいのか迷う」など悩み、立ち止まってしまうことがあるかもしれません。

また、立ち上げたものの、「続けてはいるが、目標設定があいまいになってきた…」「立ち上げ時の目的やゴールの引き継ぎがない」など、運用を進める上での悩み、ご相談もいただきます。


今回は、電通PRコンサルティングのデジタルPRプランナー・中曽根 亜純が「SNSアカウント立ち上げの際に、まず整理しておきたいポイント」を解説。

これからSNSアカウントを立ち上げる方も、既存のSNSアカウントの運用に困っている方も、改めてチェックし、今後の情報発信のヒントにしましょう。


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目次[非表示]

  1. 1.①企業のSNS運用 「目的」を確かめよう
    1. 1.1.陥りがちな「指標の目的化」
    2. 1.2.企業のSNS 運用目的の設定方法
  2. 2.②企業の目的に沿ったSNSを選ぼう
  3. 3.③運用目的を見つめ直し、設定し続けよう
    1. 3.1.1.ガイドラインを作成する
    2. 3.2.2.運用体制を整える
    3. 3.3.長く発信を続けるために


①企業のSNS運用 「目的」を確かめよう


そもそも、なぜSNSアカウント運用を始めるのか。明確な答えがすぐに浮かぶでしょうか。

浮かばない場合は、「そもそも、なぜSNSなのか?」という問いかけをチーム内で行ってみましょう。

陥りがちな「指標の目的化」

「フォロワーを増やす」「インプレッションを稼ぐ」などは、普段個人でSNSを閲覧・使用する中で目に見えやすい指標です。そのためSNS運用を始めるときに、すぐに頭に浮かびます。

しかしフォロワー数やインプレッション数は、その先にある目的を達成するための手段であって、目的そのものではありません。

指標が目的になってしまうと、本質を見失った運用になりやすいので注意が必要です。

また、下図のように、SNS上で可視化されている情報や指標は、運用に必要なもののごく一部です。実は目に見えないところで、検討すべきたくさんの項目があります。

必要な検討をしないまま、いきなり「コンテンツ内容」から考え始めてしまうと、目的や方針が途中でブレてしまったり、思わぬ炎上が起きてしまったりして、運用しづらくなってしまうので、そちらも注意が必要です。


企業のSNS 運用目的の設定方法

では、運用目的をどう設定すると良いのでしょうか。

まずは、事業全体の中でのSNSアカウントの役割を定めましょう。

分かりやすいのは、SNSとそれ以外のツールや施策のすみ分けを考えることです。WEBサイト、広告、イベント、キャンペーンなどの施策で、それぞれ「誰に何を伝えたいか/誰にどう思ってもらうための活動なのか」が定まっているはずです。

それらを整理していくと、SNSの役割が見えてくるでしょう。

例えば・・・

・WEBサイト→顕在顧客層への理解促進
・広告→幅広い層への認知拡大
・イベント→興味関心層へのブランド訴求
・キャンペーン→購入検討層への購買促進


という役割を持たせて施策を実施しているとします。

この場合、他施策で担っていない役割として「潜在顧客層の顕在化」などが挙げられます。
そこで、SNSの役割は「潜在的な顧客層を可視化するために、エンゲージメントを高める」ことを目的にしてみよう、といった考え方をすることができます。

役割が決まれば、運用方針やコンテンツの大枠も決まってきます。

例えばSNSでは「知られざる裏側をちょい見せする」「フォロワーとのコミュニケーションを密にとる」などと、決めることができるのです。

このように、「誰に何を伝えたいか/誰にどう思ってもらうための活動なのか」を立ち上げの段階で整理することで、長期的に運用が続いたとしても、目的を見失わずにアカウントを運用することができます。


②企業の目的に沿ったSNSを選ぼう


アカウント運用の目的が定まったところで、次は「立ち上げるSNSは何がいいのか?」を考えてみましょう。

X、Instagram、TikTok、YouTube*など、SNSにはさまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。

使うSNSと目的がマッチしていないと、どんなに良いコンテンツを発信しても目的にかなう成果は得られづらいものです。適切なSNSを選び、情報発信の効果を最大化していきましょう。

SNSアカウントの運用の際には、目的だけでなく、情報を届けたいターゲットに合わせてメディアを使い分けることが重要です。

下記のメディア別特徴シートを参考に、使うべきSNSを考えてみてください。


では、前述の「潜在的な顧客層を可視化するために、エンゲージメントを高める」 を目的とした例で考えてみましょう。

エンゲージメントを高めるには、「面白い」「役立つ」など有益なアカウントとしてフォロワーに認識され続けることが重要なので、継続的な発信が欠かせません。

このため、写真やテキストで気軽に投稿でき、接触回数を増やせるXやInstagramが適していると考えられます。

YouTubeやTikTokなどは動画でロイヤリティの高いコンテンツを発信することが可能な一方で、コンテンツ制作の工数がかかるため、継続的な投稿をするにはハードルが高いものです。継続的な投稿が実現可能な体制ではない限りは、目的に対する手段としては適していないという考えが導き出せそうです。

SNS選びにおいては、コンテンツ制作の工数なども考慮に入れる必要があります。ユーザー層、視聴スタンスなどに加え、制作体制なども考慮した上で運用するSNSを検討しましょう。

*YouTubeは動画共有サービスですが、企業が生活者とコミュニケーションを取る場の1つとして他SNSと併記して比較しています。


③運用目的を見つめ直し、設定し続けよう


SNSを取り巻く環境は、凄まじい速さで変わっていきます。さらに、ビジョンや目的が途中で変わっていくこともあります。

トライ&エラーを繰り返し、方向性や投稿コンテンツが変化したり、プラットフォーム自体が変わっていたりしても、その時の目的やビジョンと合っていれば、良いアカウント運用と言えるでしょう。

一方で、運用を続けていく中で、目的があいまいになったり、誰に対して発信しているか分からなくなったりしてしまった時にヒントになるのが、立ち上げ時の目的やビジョンです。

そもそもなぜ立ち上げたのか?を紐解いた上で立ち戻ることもできますし、目的を設定した当時と現在を比較し、アップデートすべきところ、継続すべきところを整理して、新たな目的を設定することもできます。

常にビジョンや目的を見つめ直すことのできるアカウントにするために、重要なことは大きく2つあります。

1.ガイドラインを作成する

アカウントの役割や目的、運用方針をガイドラインとして記録していきます。

「ガイドラインの作成は引き継ぎ時で良いのでは?」と思われる人もいるかもしれませんが、実は役割を決めた本人ですら、運用を続けるうちに方向性に迷うことがあります。

そんな「困ったときの道しるべ」として活用するためにも、SNSアカウントのガイドラインは、立ち上げの段階で作っておきましょう。

また、ガイドラインは、社内や協力会社との連携においても非常に役立ちます。

2.運用体制を整える

担当者が一人でSNSアカウントを運用すると、さまざまな面でリスクが増えます。

設定した目的を達成するために適切に運用が出来ているかどうかや、目的の再設定をするタイミングなどを判断することが難しくなったり、投稿内容にも不適切な内容/表現に気が付かずに投稿してしまうリスクが増えます。

できる限り複数人で運用し、さまざまな視点で運用方針やコンテンツを考えることで、運用の振り返りや目的の再設定を行ったり、不適切な投稿を避けることができます。

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