自社サイトの隠れたリスク、お気づきですか?~ウェブサイト「リスク診断」のススメ
2022年8月、「良い企業Webサイト、3つの条件。PR思考で、企業サイト改善を考える」の記事を執筆した、電通PRコンサルティングのオウンドメディア推進ユニット「コンソメ」。今回は、同チームの細川が、意外に気付かれていない、企業Webサイトに潜むリスクについて紹介します。自社Webサイトの運用や商品ブランドWebサイト等のご担当をされていらっしゃる方々、必見です。
なお、電通PRコンサルティングでは、表現リスクの洗い出しや対策まで支援する、「PR思考のウェブサイト診断」プログラムや、「企業ウェブサイト・表現リスク診断」プログラムもご用意しています。(※)
(電通PRC‐PRX事務局)
(※)ご注意
「企業ウェブサイト表現リスク診断」プログラムは、「PR思考のウェブサイト活用・診断プログラム2023」(公開中)の中から、お客様から高い評価を頂戴し、かつ多くのご相談を頂戴している「表現リスク診断」メニューを抜粋する事で、費用を抑えたご提供が可能になりました。
是非ご覧ください。
※ご参考記事のご紹介
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情報発信にはリスクがつきもの!?
ソーシャルメディアやWebメディアが普及し、あらゆる人々が自由に情報を発信することが可能になった現代。多次元化する『情報流通構造®』において、企業が発信した情報は、受け手の様々な立場や文脈によって異なる、個別の判断にさらされ、そして反応を受けるわけですから、広報活動においても、「情報発信にはリスクがつきもの」という考えは、もはや常識と言ってよいでしょう。
これに伴い、広報情報発信を行う際のリスクチェックについても、広く一般的に行われるようになってきたように思います。「これから発信する情報や表現は、だれかを傷つけるものになっていないか?」「一部の方々の不満や反感を招いたりするものになっていないか」など。これらの事前確認は、企業の広報にとって、もっとも重要な業務のひとつになってきたと言えます。
さて、このリスクチェック、情報を発信する際にだけ行っていればよいのでしょうか?
今回、電通PRコンサルティングのオウンドメディア推進ユニット「コンソメ」では、下記3点の、企業Webサイト運営に隠れたリスクチェックについてご紹介します。
❶変化するリスクチェックの基準
❷オウンドメディアにおける表現リスクのメカニズム
❸オウンドメディアのリスクチェックを行うべき時期
ポイント① 注意!リスクチェックの基準は変わる
ところでみなさん。「昨日あるいは一昨日に投稿したInstagramの写真やキャプションに大きなリスクはないと言えるでしょうか?」「先月更新したコーポレートサイトの文章に、危険な表現はないでしょうか?」
こう問われたとき、多くの方はこうお答えになるかもしれません。「全くないとは言い切れないが、事前にリスクチェックを行っています。」
いえいえ、その回答にケチをつけようというのではありません。広報の専門家によるリスクチェックが、昨日、一昨日あるいは先月という直近の期間に適切に行われているのであれば、確かにそれらに大きな問題はないと言えるでしょう。
では次の質問についてはどうでしょう?
「あなたのコーポレートサイトにある10年前のコンテンツにリスクはないと言えますか?」
この質問に自信を持って「ない」と言い切れる方は先ほどより多くないかもしれませんね。多くの方は「そんな昔のことには自信がない」「当時は担当ではなかったのでわからない」とお答えになると思います。
それでも中には、「広報部で所管しているウェブサイトマニュアルに『ウェブサイト更新時にリスクチェックをすること』という項目があるので適切にリスクチェックが行われていたはず」とお答えになる方もいらっしゃると思います。
ではそういう方に重ねてお尋ねします。
「10年前に適切にリスクチェックが行われたコンテンツに、現在リスクはないと言い切れるでしょうか?」
10年前は問題ないとされた表現でも、現在の基準に照らせば問題のある表現とされることも増えてきたように思います。
例えば、「イクメン」「才色兼備」などなど・・・。
これらの表現は、ひょっとしたら10年前のリスクチェックでは「問題なし」とされていた可能性があります。2022年の現在では・・・言うまでもなくNGですよね。こういった表現があなたの会社のコーポレートサイトや過去のソーシャルメディア投稿のログにないと言い切ることができるでしょうか?表現リスクの基準は時代によって変わるのです。
ポイント② 問題のある表現が10年後も残ってしまうメカニズム
現在の基準で問題のある表現が10年前に行われたことについて、現在の広報担当者が責められるのは確かに酷なことです。が、閲覧者にとっては「そのコンテンツがいつ投稿/更新されたのかは関係ない」と言えますし、こういったコンテンツが今現在閲覧できる状態になっていることについて、現在の広報担当者に「責任がない」と言い切れるのか・・・。ちょっと苦しいかもしれませんね。
ではなぜこういったコンテンツが10年間残り続けてしまうのでしょうか?
ソーシャルメディアであれば理由は単純です。企業がソーシャルメディア運営を開始する際、たいてい運営レギュレーションを作りますが、その中で「一度投稿したコンテンツを見直す」というプロセスを設けられることがほとんどないからです。
(この件に限らず、「企業のソーシャルメディア運営については、リスク対策が不十分なまま開始されてしまいがちだ」という問題もあります。が、これは本稿の趣旨から外れる話題ですので、また別の機会に改めて!)
ではウェブサイトではどうでしょうか?
一般的に企業ウェブサイトの代表格と言えるコーポレートサイトは5年から6年の周期でフルリニューアルされることが多いため、単純に計算すれば10年前に更新された(現在の基準において)問題あるコンテンツが10年間残り続けるということはなさそうです。
が、このような経験はないでしょうか???
「コーポレートサイトのフルリニューアル、予算も納期も限られてるんでトップページのレイアウトとビジュアルデザインだけ変えて、文章や画像はそのまま移し替える感じで!」
コーポレートサイトリニューアルの際に誰からともなく出てくるこのようなセリフ、一度は聞いたことがあるという方も多いのではないかと思われます。納期はともかく、予算は頑張って大幅に増えるものではありませんので、「文章や画像をそのまま移し替え」のすべてが悪いというわけではありません。ただ、ノーチェックでの「移し替え」にはリスク―10年前のコンテンツが最新の基準で閲覧者から評価されてしまうリスクが伴うということは認識せねばなりません。
ポイント③ オウンドメディアのリスクチェックを行うのは今
少なくともウェブサイトのフルリニューアルの際にはそれまでのウェブサイトのコンテンツの診断を行うべきです。最新の基準で問題のあるコンテンツを発見できることはもちろん、それ以外にもリニューアルにあたって必要な課題の発掘にもつながるなど様々なメリットがあります。
また、リニューアルのタイミングでなくとも、定期的にウェブサイトのコンテンツを診断することはリスク回避の面で効果的であると言えるでしょう。リニューアルの時に、となると5,6年に一度になってしまいますが、ここまでお読みいただいた方なら、その周期では悠長すぎるとお感じいただけるのではないでしょうか。
そこで、我々からのご提案です。
健康診断や自動車の車検のように、「1~2年に一度はチェックする」という行動をルーティンにしてはいかがでしょうか?
電通PRコンサルティングが提供している「PR思考のウェブサイト診断」では、従来のウェブサイト診断の指標に加え、過去に更新されそのまま公開されているコンテンツのリスクについても診断する指標を兼ね備えています。 またそこからの抜粋プログラム「企業ウェブサイト・表現リスク診断」プログラムもご用意しました。
この記事をお読みいただき、ご興味持たれた方はぜひ、下記リンクよりご覧ください。
※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。