調査PRとは?リリースの書き方と成功事例を詳しく解説
調査PRとは、自社で行った調査結果を「ニュース性のあるコンテンツ」として発信する広報・PR手法です。
単なるデータの羅列ではなく、調査リリースに「ストーリー」を持たせることで、メディアに取り上げられやすくなり、企業イメージの向上や信頼感UPにもつながります。さらに、新商品・サービスの開発や市場開拓にも役立てることができます。
本記事では、調査リリースの書き方や、企業の調査PRの成功事例を紹介します。
今すぐ調査PRを始めて、自社の強みを世の中に発信しましょう!
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目次[非表示]
- 1.データを“コンテンツ“として発信 調査PRとは?
- 2.調査PR 発信するメリットは?
- 2.1.メリット①世の中ゴトとして取り上げられる
- 2.2.メリット②企業イメージ向上、信頼感UPにつながる。
- 2.3.メリット③「●●といえばあの企業」と思ってもらえるようになる
- 2.4.メリット④PRにおける各種施策のキーコンテンツとなる
- 2.5.メリット⑤新市場開拓の理由付けになる
- 2.6.メリット⑥トレンドを生み出すきっかけになる
- 3.調査リリース 書き方の基本
- 4.調査リリースのストーリーは「三段論法」を意識
- 5.「読みたくなる調査リリース」のコツ
- 6.調査リリース 発信するタイミングは?
- 6.1.○○の日 などの記念日
- 6.2.年次イベントの前後
- 6.3.季節の変わり目、年度の切り替わり
- 6.4.社会的トレンド/ニュースのタイミング
- 7.「調査PR」はモーメントカレンダーを参考に
- 8.電通PRコンサルティングが調査PRをサポート
データを“コンテンツ“として発信 調査PRとは?
調査PRとは、企業が調査で得た「データ」をニュース性のある「コンテンツ」として公開するPR手法をいいます。
例えば、調査データに、調査をするに至った“理由”、特定の分野や業界で影響力を持つ人物のコメント、背景情報などを付加した「調査リリース」として公開することで、ニュース性・共感性のある「コンテンツ」にすることができます。
このように、数字の羅列である「データ」もコンテクストを持たせることで、「ニュース」になり、テレビや新聞・雑誌、WEB、ソーシャルメディアなどを通じて拡散されます。
調査PR 発信するメリットは?
プレスリリースをメディアに読んでもらうためには、どうしたら良いのでしょうか。プレスリリースを書く際に重要な考え方をまとめました。
メリット①世の中ゴトとして取り上げられる
企業が事業に関するメッセージ(企業理念やビジョンなど)を発信しても、世の中はなかなか関心を持ってくれません。
しかし、根拠となる世の中の動きや生活者のインサイトを調査を通して明らかにし、「データコンテンツ」として併せて発信できれば、「世の中ゴト」として受け取ってもらえるようになります。
メリット②企業イメージ向上、信頼感UPにつながる。
情報発信の際に必要になるのが、社会性のあるストーリーや、社会(業界)の課題です。
調査PRは、企業として課題に取り組むことにした狙いや、社会や世の中でどのようなことが起こっているかを語る際の『裏付け』になり、発信者のイメージも向上します。
調査を行っていること自体が、企業の信頼獲得につながるといえます。
メリット③「●●といえばあの企業」と思ってもらえるようになる
毎年調査を実施することで蓄積したデータを発信できれば、「●●のことならここに聞こう!」とメディアや生活者に思ってもらえるようになり、業界におけるリーディングカンパニーとしてのポジショニングにもつながります。
事例
サントリーウォーターレポート(サントリーホールディングス) |
野菜と家庭菜園に関する調査(タキイ種苗) |
メリット④PRにおける各種施策のキーコンテンツとなる
調査によって得た「データ」を起点として、さまざまなPR施策を展開していくことができます。
例)
・企業ソーシャルメディア…ソーシャルメディアの企業公式アカウントで発信するネタとして
・コーポレートサイト・採用サイト…コーポレートサイトや採用サイトのコンテンツとして
・メディア向け発表会…メディア向けの発表会で投影する資料として
・動画配信…実証実験の様子などはWEBやTVの動画素材として
メリット⑤新市場開拓の理由付けになる
これまでにない新しいインサイトを調査で明らかにし、新商品やサービスの開発の根拠とすることができます。
また世の中の変化をコンテンツ化すれば、新商品/サービスだけでなく既存商品のリブランディングにも活用が可能です。
メリット⑥トレンドを生み出すきっかけになる
なんとなくみんなが感じている、ふわっとした意識や行動について、調査を通して実態を明らかに。さらに、キーワードをつけることで、新たな「トレンド」を生み出すことができます。
例えば、バレンタインは「女性が男性に対して、チョコレートを渡す」イベントとして認知されていたが、「女性が同性の友達にチョコレートをプレゼントする」という兆しが調査データで明らかにされてから「友チョコ」というトレンドが生み出されました。
調査リリース 書き方の基本
「調査PR」で作成するリリースの作成ポイントは、ストーリーを持たせることです。調査設計時からどのようなストーリーにしたいかのアウトプットイメージを常に意識します。
本文では、PRしたい商品/サービスにつながるストーリー設計を行います。数字である「データ」の背景にコンテクストを持たせることが重要です。
グラフはメディアが使いやすい形で正確に。サンプル数や調査対象者、設問内容を明記しましょう。
やってしまいがちなNGポイント
・ストーリーが商品やブランドにつながっていない |
調査リリースのストーリーは「三段論法」を意識
調査リリースを読みやすくするためには、現状→課題→解決策の3ステップで書くことを意識しましょう。
①「現状」の提示(世の中ゴト)→【共感】
世の中の現状を広く捉えた調査データの紹介。
読者に「うん、そうだよね」「やっぱりみんなこう思ってるんだ」と感じてもらうためのフェーズ。
例) 「自粛期間で料理をする頻度が増えた人は? 〇%」など
②「課題」(悩み/意識)の提示→【驚き】
①のトレンドをさらに深掘りし、焦点を絞っていく。読者に「え!そうなの?」「確かに言われてみればそうだ」という、「驚き」を与えることを意識する。
例) 「テレワーク中の料理、悩み1位は『買い出しに行く時間がない』」
③「解決策」の提示(商品/サービスへの落とし込み)→【納得】
②で深掘りした生活者や世の中の課題を解決に導く。読者に「これは生活者目線で考えられたサービスなんだ」「この会社は世の中のためになることをしているんだ」と感じてもらえるような内容にする。
例)「定期的に食材が家に届いてほしいと答えた人は〇%」
「読みたくなる調査リリース」のコツ
メディアが読みたくなる調査リリースを作るためには、「3つヒ」を意識しましょう。
読みたくなる調査リリースのコツ①:ヒカク
一つの調査テーマについてであっても、
・男女比較
・世代比較
・地域比較(47都道府県比較)
などによって「差」を浮き彫りにすることで、より特徴が鮮明になり、ニュースバリューを高められやすくなります。
逆に、比較対象がないと結果が高いのか低いのか分かりません。
また、○○派vs○○派などの対立構造をつくることも効果的です。夫婦間の比較や上司vs部下の比較も常に関心が高いテーマといえます。
読みたくなる調査リリースのコツ②:ヒラキ
トレンドを可視化することが調査の目的ですが、世の中の“常識”との「開き(ギャップ)」の内容を調査結果から導き出せると「意外性」の要素が加わりニュースになりやすくなります。
例)若手社員は“意外と”上司と飲みに行きたいと思っている など
また「開き(ギャップ)」の有無にかかわらず、注目されている社会課題をストレートに可視化したり、SNSで話題化した現象についてアンケート調査で深掘りしたりすることも効果的です。
読みたくなる調査リリースのコツ③:ヒトコト
調査リリースによって詳細な情報を提供することも重要ですが、その結果が「一言で表せる」、すなわち「社会記号化」を目指すことも重要です。
「ヒトコト」を導き出す手法例
❶1問で完結できる設問を用意する。 |
調査リリース 発信するタイミングは?
調査リリースは発信するタイミングも、メディアの露出獲得には重要です。
タイミングが合わないと、
・調査リリース単体では波及力に乏しい
・記事にするには情報“量”が足りない
・世の中の関心が向いていない
のように、メディアが扱いにくい調査リリースになってしまいます。
一方、タイミングが合えば
・背景データとしてメディアが使える
・特集記事の中で使われる可能性が高い
・世の中の関心がすでに集まっている
のような調査リリースとなり、メディアが扱いやすくなります。
発信するのに適したタイミングとして、下記のような例が上げられます。
○○の日 などの記念日
「○○の日」の他にも、●●月間、●●週間などの強化期間も露出を狙うタイミングとして存在します。
例)野菜の日(8月31日)、いい夫婦の日(11月22日)、サイバーセキュリティ月間、秋の全国交通安全運動 など
年次イベントの前後
特に人が動く大型休暇であるGW、お盆、年末年始などは早い時点から多くの報道量を見込めます。
例)クリスマス、夏休み、海開き、受験、(社会人の)ボーナス、お花見、忘年会 など
季節の変わり目、年度の切り替わり
節目のタイミングや前後には関連ニュースが報道されやすくなります。
例)夏の熱中症対策、花粉症、冬の体調管理、梅雨、新生活、卒業、入学、就職 など
社会的トレンド/ニュースのタイミング
社会現象となっているトピックや、法改正・制度改正前後などがニュースになっているタイミングです。
例)少子高齢化、値上げ、円安、減税・増税、景品表示法改正 など
「調査PR」はモーメントカレンダーを参考に
電通PRコンサルティングでは、Yahoo!ニュースに掲載された調査事例を毎日収集し、メディア掲載・露出につながる「モーメント」をまとめたカレンダーを作成しました。
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「○○に関する調査をしたいけど、発表はいつするのがいいだろう?」といった場面では、調査PRモーメントカレンダーから最適な日付を探しましょう。
事例①:夫婦の「家事」分担に関する調査の発表→11月22日 いい夫婦の日
大和ハウス工業 |
事例②:スイーツに関する調査の発表→3月12日 スイーツの日
モンテール |
「○○に関する調査をしたいけど、何か関心を持ってもらえるトピックはないだろうか?」といった場面では、「調査PR」モーメントカレンダーからニュースになる切り口を見つけましょう。
事例③:暮らし/住まいに関する調査がしたい × 9月1日防災の日(および防災週間)
積水ハウス 自宅における防災に関する調査 |
事例④:エアコンに関する調査がしたい × 夏の熱中症、お盆
三菱電機 親のエアコンの使用状況に関する調査 |
電通PRコンサルティングが調査PRをサポート
調査PRの内容が驚きや共感を生む場合、その数字自体がニュースで取り上げられ、ソーシャルメディアでもシェアされ、話題を呼ぶことも少なくありません。
電通PRコンサルティングでは、「調査PR」モーメントカレンダーなどを基に、パブリシティにつながる調査PRの企画・実施を行っています。
調査PRに関するご質問/ご相談などぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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