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「25ansデジタル」編集長インタビュー 求めるのはニッチで個性的な視点

電通PRコンサルティングでは、各著名メディアの編集長やプロデューサーにメディアとしての関心事や興味、課題感、問題意識、また新たに取り組まれていることなどをお伺いし、広報担当者のメディアリテラシー力を高めることを目指しています。
 
今回は、ラグジュアリーメディア「25ansデジタル」外岡 佐知子編集長にインタビューしました。


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外岡 佐知子
コンテンツ本部 25ans グループ エディトリアル マネジメント リード 兼
25ans デジタル 編集長 兼 25ansウエディング デジタル 編集長


ファッション誌編集を経て、2007年にハースト婦人画報社へ入社。『ELLEgirl』編集部でZ世代向けのファッションを中心に、ビューティー、カルチャーに関する誌面制作を約8年間担当する。産休を経て、『ELLE digital』のファッションストーリー記事撮影、インタビュー、ニュース記事、『ELLE Japon』の誌面製作に携わる。2020年9月に『25ansデジタル』編集部のコンテンツ・マネージャーに就き、2021年1月より編集長に就任。同年9月より『25ansウエディング デジタル』の編集長を兼任する。


目次[非表示]

  1. 1.コアターゲットは女性富裕層。Z世代の取り込みも
  2. 2.デイリーで数字を追い、PDCAを回す
  3. 3.セグメントしたターゲットに向けて的確な情報を
  4. 4.メディアにとどまらない、立体的なサービス提供を目指して


コアターゲットは女性富裕層。Z世代の取り込みも


編集長視点で「25ansデジタル」の媒体紹介をお願いします!

「25ans」は、1980年に創刊され、2025年に45周年を迎える、歴史のある、富裕層の女性向けの雑誌です。2010年には「25ansデジタル」をローンチし、来年で15周年となります。

 コアターゲットは、雑誌「25ans」の読者を中心とした、昔から強いリレーションのある富裕層の女性(ユーザー平均年齢:40代)。

また「25ansデジタル」では、まだ取り込めていない世代であるZ世代の中でも、次の富裕層にあたる潜在層= 「憧れハイエンド層」を取り込んでいくことを目指しており、そういった方たちに届くようなコンテンツ作りを目指しています。

「25ans」本誌が掲載商品を日常的に購入している「リアルハイエンド層」がコアターゲットなのに対し、「25ansデジタル」は「リアルハイエンド層」と「憧れハイエンド層」をターゲットにしています。

デイリーで数字を追い、PDCAを回す


編集部の体制と掲載までのフローについて教えてください。

編集長1名、ファッション担当2名、ビューティー担当2名、カルチャー担当2名の計7名体制で運用しています。「25ans」本誌の人数体制は約2倍です。

コンテンツについては、チーム内のプロジェクトリーダーと編集長で協議をしたのち、編集長が最終判断をしています。また記事公開までの期間は、1日で対応するものから、取材などを経て2か月かけて公開するものなど、ジャンルによって変わってきます。

また毎週火曜日に定例レポート企画会議を実施しており、部員各自が執筆した記事をGoogle Analytics、Google Search Console、Keyword Mapなど分析ツールを多角的に使い、数値などをレポートし、それぞれの記事がサイトに対してどの程度効果的に働いたのかをサイト内のランキングと流入元からデイリーで追っています。

Instagramの運用も毎日しており、担当者4名が日替わりで投稿しています。また、隔週でSNSチームとのPDCAサイクルを上げるためのMTGも実施しており、専門チームのナレッジやトレンドも随時インプットするよう心掛けています。

 
―情報の仕分け、収集方法について教えてください。

富裕層の皆さまに興味を持っていただけるテーマなのか、ニッチで個性的な視点かを大事にしています。

富裕層の最新トレンドやキーワードを把握して、記事化できるかを判断しています。また、サイト内の検索であがってきたキーワードをユーザーのリアルな需要と捉えているので、次の企画に反映することもあります。その他、原点回帰の思考になりますが、富裕層と顧客イベントでお会いする機会や読者モデルへの取材、読者アンケート(不定期)などから最新のトレンドなどを情報収集しています。


セグメントしたターゲットに向けて的確な情報を


―記事をより多くの読者に届ける上で工夫していることを教えてください。

ロイヤルユーザーとのエンゲージメントをぐっと高めることにより、広告主であるクライアントがイメージしている25ans読者に的確に情報を届ける媒体になりたいと思い、サイトのプレミアム化、つまり“25ans色”を強めるということに今、注力しています。

具体的には、サイトに訪問するユーザーとの親和性を高めることをしており、多くのPV数を稼ぐことよりも、よりセグメントして富裕層にしっかりとリーチできるコンテンツを制作しようという姿勢で取り組んでいます。

例えば、旅行であればクルーズ特集、ラグジュアリーホテルのアフタヌーンティー特集などを組んでいます。

また、「リアルハイエンド層」向けとは別に、「憧れハイエンド層」にリーチする記事を分けて作るようにしています。Instagramもエンゲージメントが高いフォロワーが多く、25ansの世界観が濃い表現のものほど反応がいいので、より親和性の高い層の方が喜んでくださるような25ansらしい内容、ラグジュアリーに見える世界観や華やかに見える画像をアップするようにしています。


メディアにとどまらない、立体的なサービス提供を目指して


―今後、取り組んでいきたいことは?

「サイトに来た先に何を楽しむのか。」を常に考え、イベントへの参加や商品購入、課金制の情報提供、ユーザー同士をつなぎあわせるなど、サイト内やその先でもっと楽しんでもらえるようなサービスを増やしていきたいと考えています。

サイト内で完結するのではなく、その先のサービスまで提供できるメディアにしていきたいです。

どれだけ25ansの世界観にデジタル上で没入した体験をしていただけるのか。今後もユーザビリティーを最優先に、閲覧する側の視点に寄り添った立体的なコンテンツ制作、プロジェクトを実現させていきたいと考えています。読者の顔が見えるメディアを目指していきたいです。

インタビュー担当:電通PRコンサルティング 古川真理子・村井ほのか

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。


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PRX編集部
PRX編集部
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