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【テレビPRのコツ】取材されるための画づくりは「4つの”え”」がポイント|画・映・得・え!?

テレビなど映像メディアの業界では、よく「“画(え)づくり”が大事」という言葉が聞かれます。

PR・広報担当者の皆さんの中にも、「よく耳にはするけど、“画づくり”って実際どういうことなの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

今回は、テレビから取材されるためのPRのコツ「画づくり」について、解説していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.テレビPRのコツ 人を引きつける4つの「え」
  2. 2.❶ 事象が一目で伝わる、基本の「画」づくり
    1. 2.1.分かりやすい「モノ」
    2. 2.2.分かりやすい「ヒト」
    3. 2.3.分かりやすい「場所」
  3. 3.❷画面を映えさせる「映」づくり
    1. 3.1.「画変わり」も意識 
  4. 4.❸なるほど!納得の「得」づくり
    1. 4.1.〔担当者〕一番詳しく、魅力的に伝えられるヒト
    2. 4.2.〔リポーター〕生活者の代わりに体験するヒト
    3. 4.3.〔生活者〕実際の体験や感想を話すヒト
  5. 5.❹驚きの「え!?」づくり
    1. 5.1.驚きポイントを可視化
    2. 5.2. 「NEW!」が伝わる比較
  6. 6.”撮り逃させない広報”は、重宝される


テレビPRのコツ 人を引きつける4つの「え」


例えば、寒い日にテレビをつけると、一面雪化粧の街を背景に、肩に雪を積もらせたリポーターが声を張り上げながら様子を伝えていたり、暑い日には、熱くなった地面に現れる陽炎や汗を拭って歩く人の様子が流れたりしますよね。

映像のニュースには、「積雪〇センチ」「気温〇℃」というデータやナレーションだけでなく、こうした事象を分かりやすく表すためのインパクトのある「画」が必要不可欠です。

テレビのディレクターや記者が取材を検討するときも、「『画』が撮れるのか」は大事な前提条件として考えているといいます。

新商品や新サービスの発表をはじめとした企業のPR・広報活動においても、こうした「画づくり」を意識することは欠かせません。

どんなによい情報でも、「画」がなければ取材や報道につながりにくくなってしまいます。

では、テレビはどんな「画」を求めているのでしょうか。テレビのニュース映像を分析し、さらにテレビ局のディレクターや記者の方へのヒアリングから導き出した、「画」づくりの4つのポイントについて、ご紹介します。



◎何について伝えているのか一目で伝わる、基本の「画(え)」
◎画面を映えさせる「映(え)」
◎その事象を深掘りして理解が深まる、納得の「得(え)」
◎視聴者が思わず映像に食いついてしまう、驚きの「え!?」

この4つ のポイントから逆算して必要な要素を事前に用意し、プレスリリースに入れ込んだり、メディアプロモートの際に案内したりできると、メディアの方に取材・報道するイメージをつかんでもらいやすくなります。


❶ 事象が一目で伝わる、基本の「画」づくり


テレビのニュース映像の冒頭では、「株式会社○○が××を発表しました」といったリード文の読み上げとともに、キービジュアルとも言えるような、分かりやすくそのニュースを象徴する「画」が流れます。

テレビの放送時間には限りがあり、WEBニュースの場合も冒頭で理解できなければ離脱されてしまいます。

何についてのニュースなのかが一目で分かる「基本の画」が最初のポイントです。


分かりやすい「モノ」

モノの特徴が、一目で分かりやすく魅力的に伝わるように工夫します。
・あたたかい料理であれば「湯気を立てた」状態で器に盛り、湯気がよく見える色の背景を用意する
・果物やスイーツであれば「断面が分かる」ようにきれいに切ったものも横に用意する


分かりやすい「ヒト」

伝えたいことを”象徴的できるヒト”に注目し、動きのある画をつくります。
・記者発表やイベントであれば、出演ゲストに動きが出る演出を設けたり、フォトセッションでも手を振るなど動きをつける
・果物やスイーツであれば、その生産者の収穫の様子やパティシエの製造工程などの取材機会をつくる


分かりやすい「場所」

臨場感のある映像が撮れる場所を用意することも、よりリアルを伝えるために効果的です。
・果物やスイーツの発表会を、実際に果物を栽培しているビニールハウスの中で行う
・ホテルの建設を発表する際に、建設予定地を公開する
・ハウスメーカーがペットと暮らすことをコンセプトにした住宅を発表する際に、会場をモデルハウスにし、撮影でペットモデルをいれる


❷画面を映えさせる「映」づくり


「映」は、いわゆる「インスタ映え」「〇〇映え」という言葉に使われているものと同義で、商品やサービスを映した画面が‟映え”る、つまり華やかになる演出を用意することです。

華やかさやにぎやかさのある映像は、見ていて心が明るくなり、視聴者の心をつかみます。



メディアの業界ではよく「子どもや動物は鉄板」と言われますが、大人にはなかなかできない子どもの無邪気な言動や、動物のかわいらしく不思議な行動は、多くの視聴者を引きつけます。

例えば、あるお店で新商品を発表するときも、地元の人や子どもたちを招待し、おいしそうに食べてもらえたら、映像もにぎやかになり、商品も魅力的に映ります。企業と地元の人との良い関係づくりのきっかけにもなりそうです。

そういった一コマは視聴率の上昇にもつながりやすく、テレビの担当者も、取材の中で常に探している要素だと聞きます。


「画変わり」も意識 


テレビの映像で、動きのないシーンや同じ映像が続くと、視聴者の関心はだんだんそがれてしまいます。このため、テレビのニュースではテンポよく画を変えていく「画変わり」も重視しているといいます。


例えば、撮影用に商品を並べるときも、ただ置いておくのではなく布をかけておいて、撮影中に布を取って公開するといった動きをつけるなどの工夫です。


商品一つをとっても、商品が陳列されている場面、担当者が商品を持つ場面、生活者が手に取る場面など、画変わりを意識して、できるだけたくさん場面を用意しておくことがオススメです。


❸なるほど!納得の「得」づくり


「得」づくりは、「ヒト」の語りによって情報を深掘りする画を用意することです。

何かの事象を伝える上で、視聴者の納得感や理解を深めたりするために、「ヒト」は欠かせない要素の一つです。

「①基本の画」でご紹介した「分かりやすいヒト」は、企業やブランドを象徴するような、例えば社長や登壇タレントなどが想定されます。

一方で、ここでいう「ヒト」は、その商品やプロジェクトを最もよく知るヒトを指します。

例えば、開発者や担当者です。商品やプロジェクトについて深掘りできるヒトの「語り」は、より説得力があり、視聴者の理解が深まります。その熱量に、心が動かされることもありますよね。

社内に限らず、社外の専門家に語ってもらうこともまた、説得力を持たせる方法の一つです。

さらに、開発の背景にある生活者の声や、それを代弁するヒトの話も、商品や企業のストーリーについて、メディアや生活者が“自分ゴト”として捉えるきっかけとなります。

もう少し詳しく、ポイントとなる3種類の「ヒト」をご紹介します。



〔担当者〕一番詳しく、魅力的に伝えられるヒト

商品の開発背景や、業界の見通しや動向などを整理し、魅力的に伝えられるヒトです。

メディアが編集しやすいよう、あまり冗長にならず、ワンセンテンスを短く話すこともポイントです。

「取り組みの背景」「取り組みの狙い」「今後の展望」はよく聞かれる要素なので、取材前にはしっかりと準備しておけるとよいでしょう。 


〔リポーター〕生活者の代わりに体験するヒト

生活者と同じ目線に立って商品・サービスを体験し、感想を語るリポーターの様子は、視聴者の“自分ゴト化”を促します。

そういった撮影に備え、タッチアンドトライできる機会を用意しておくとよいでしょう。

リポートの場面でも、食品はお皿に盛りつけ、飲み物はグラスに注ぐなど、日常におけるシーンを想起しやすい画をつくるのもポイントです。


〔生活者〕実際の体験や感想を話すヒト

生活者が商品・サービスを体験している様子を撮影でき、感想が聞けるというのもテレビからは重宝されます。一般のお客様の撮影が難しいという場合には、使用イメージの公式映像素材を用意する方法もあります。


❹驚きの「え!?」づくり


生活者が何かに興味を持つときには「驚き」の感情が伴うことがあります。

ニュースを見ていて思わず「!?」と感情が揺れるような瞬間が生まれると、その映像は生活者にとって関心の高い情報となり、最終的には態度変容につながる情報へと変わっていく可能性もあります。


「驚き」を感じてもらえるような映像のポイントを2つ、ご紹介します。



驚きポイントを可視化

例えば、めずしいエサを食べて育った魚や、変わった原材料で建てた住宅などを紹介するときには、魚や住宅だけでなく驚きのポイントであるエサや原材料も並べて撮れるように準備しておくと、どこが驚きなのか分かりやすい画になります。

ある寿司店の新商品発表会では、「キャベツを食べて育った魚」のお寿司が登場した際、その特徴を際立たせるためにお寿司とキャベツ一玉を並べて展示していました。

リポーターがキャベツとお寿司を持って商品を紹介するという、驚きが伝わりやすい映像が流れました。


 「NEW!」が伝わる比較

従来のものを刷新した商品やサービスを紹介する際には、その変化が最大限際立つように、ビフォーとアフターを並べる画づくりをすると分かりやすいです。新商品や新サービスの何が“NEW!”なのか、驚きとともに実感することができます。

同様に、史上最少、最大など、サイズにニュースバリューを持たせている商品は、「1円玉より小さい○○」「スマホサイズの○○」といった、身の回りのものや、誰でも大きさが想像しやすいものと並べてみると驚きのポイントがより伝わりやすくなります。


”撮り逃させない広報”は、重宝される


 こうした画づくりをした上で、最も大切なことは、せっかくの取材機会に「メディアに画を撮り逃させない」ことです。

どれだけ魅力的な画を用意しても、撮ってもらえなければ意味がなくなってしまいます。

メディアとの関係づくりにおいても、丁寧なコミュニケーションによって「撮り逃し」を防ぐことはとても重要です。
事前にどのような画が撮れるのか案内した上で、メディアの要望と企業側の事情を擦り合わせて調整しておくことが大切です。

撮影現場でも、イベントの登壇者がどの方向に向かって歩いてくるか、生活者にインタビューできるタイミングはあるのかなど、取材に来ている全てのメディアが必要な要素を撮り逃さないように、段取りを丁寧に説明し、事前の説明通りに実施することが求められます。

現場で新たな要望が出てくることもあるので、時には臨機応変な対応も必要です。


今回は、テレビPRのコツとして、映像メディアに求められる「画づくり」として、4つの「え」をご紹介しました。

いま、映像ニュースはさまざまなメディアで見られています。

テレビで発信される情報も、アーカイブがWEB上にアップされ、人々の間を流通していきます。

生活者を引きつける「画」づくりはテレビにとどまらず、WEB、SNSでの情報拡散にもつながり、より多くの人に届くきっかけになると考えています。

出典:PRX Studio Q

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。​​​​​​​


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箕輪 淑子
箕輪 淑子
2020年、電通PRコンサルティング入社。約2年半、メディア局でテレビプロモーターを担当。大手飲料メーカーや通信、飲食を中心とした幅広い業界の記者発表会や大型イベントの企画立案・メディア対応のほか、テレビに取り上げられる情報を作り出すコンテンツクリエーションに従事。現在は、第1PRソリューション局1部にて、官公庁クライアントを中心に、メディア視点を活かしたプランニングを行う。

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