【調査PR 徹底攻略01】PRで「データ」を活用する~課題や兆しをあぶり出す「調査PR」



広告だけでなく、SNSやオウンドメディアなど、自社から発信する手法も数多くある中、自社の取り組みに対して、「世の中ゴト」として注目を集めていくためには、テレビや新聞、雑誌などマスメディアで紹介してもらいたいもの。しかし、ニュースリリースを一生懸命作って送っても、なかなか取り上げてもらえないのは今も昔も変わりません。また、「うちは定番商品がメインでリリースにできるような新しい情報がない… 」といったようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

そんな時には「データコンテンツ」の活用、すなわち「調査PR」を考えてみませんか?

今回は、PESOメディアでの情報発信の効果を最大化し、社会的承認や合意形成を獲得するPR手法である「調査PR」徹底攻略シリーズ第1回として、「データ」を「コンテンツ」として活用することのメリットや具体的手法について、電通PRコンサルティングのデータストラテジー コンサルタント 酒井繁が紹介します。



(ご参考01)
本記事をご覧頂き、「調査PR」にチャレンジしたいとお考えになった皆さまに向けて、調査PRのメリットや具体的なリリースの書き方等をまとめた、お役立ち資料もご用意しました。また、当資料内では「『調査PR』お試しプラン」もエントリー価格でご提案。新たな調査を行うことなく、皆さまの企業内でお持ちの既存データからPRに適した「データコンテンツ」を開発するトライアルプランです。本記事をご覧頂き、ご興味ございましたら、下記リンクよりダウンロードしてご覧下さい。

お役立ち資料:「調査PR」徹底攻略術 01
お試しプラン付き「調査リリースのメリットと書き方」



(ご参考02)
「調査PR」を活用した、社会変革に向けた事例紹介記事も先行公開しております。ぜひご覧ください。

  【事例研究】社会を変革する調査×PR(前編)調査は対話の積み重ね 認知症は、かつて「痴呆(ちほう)症」と呼ばれていたことを知っていますか? 社会調査を通して、患者や家族、医療関係者と対話を重ね、病院受診を妨げる偏見や病気への誤った認識を明らかにした「認知症啓発のための調査研究プロジェクト」。  前編となる本記事では、国際的にも高く評価されたこのプロジェクトを率いたPRプロフェッショナル花上憲司さんと、PRX Studio Qのプランナー岩澤俊之が、調査を通して生活者の生の声を聞くことの重要性について考えました。 「PR X」マガジン|すべてのビジネス領域に、PRの技術を|株式会社電通PRコンサルティング


(ご参考03)
本記事は、「『調査PR』徹底攻略」シリーズ全3部の第1弾として公開するものです。是非、全3部作まとめてご覧ください。

【調査PR 徹底攻略01】PRで「データ」を活用する~課題や兆しをあぶり出す調査PR(本記事)
【調査PR 徹底攻略02】「調査PR」成果を最大化する「モーメント」活用企画術
【調査PR 徹底攻略03】事例とともに考える「データコンテンツ発信術」


目次[非表示]

  1. 1.社会現象や兆し、社会課題をあぶり出す「データコンテンツ」
  2. 2.「データ」の説得力と「コンテンツ」としての魅力
  3. 3.調査リリースは「データコンテンツの三段論法」を使って作成しよう
    1. 3.1.現状の提示(世の中ゴト)
    2. 3.2.課題(悩み/意識)の提示
    3. 3.3.解決策の提示(商品やサービスへの落とし込み)
  4. 4.電通PRC-PRX事務局より




社会現象や兆し、社会課題をあぶり出す「データコンテンツ」




―PRにおいて「データを活用する」とはどのようなことでしょうか?


通常、メディアに向けて情報提供する際、リリースを作成してメディアに配信します。しかし、リリースは各メディアに1日何百通も届くこともあり、「なかなか取り上げてもらえない…」という悩みを持っている広報担当者は多いと思います。そもそも、年に何回も新商品やサービスをローンチできる企業はそう多くありません。そういった広報担当者の方に「データ」を活用することを提案しています。数字の羅列のように見えるデータも、うまく活用することで大きな効力を発揮するのです。


―データにはどのような効果があるのでしょうか?


まず、「メディアに取り上げられる」ためにはどうするかから考えてみましょう。これは当社がまとめた「ニュースになる3つの要素」です。



ニュースになる3つに要素」について、
詳しくはこちらの記事をご覧ください



前提として、メディアは企業の宣伝はできません。社会の現象(今起きていること)を伝えることを使命としています。また、世の中の困りごと(社会の課題)を解決する情報は積極的に取り扱う傾向があります。その一事例としてであれば、企業のサービスや商品を取り上げることができるのです。データの効果はいろいろありますが、この「社会性のあるストーリー・社会課題が見える化できる」というところが大きいと考えています。


例えば最近、政府や企業が進める少子化対策の影響もあって「男性育休」というキーワードが広まっていますよね。でも、実際のところ「どのくらいの人が育休を取っているのか」や「以前と比べてどのくらい育休取得者数が伸びているのか」は分かりません。しかし、その時に育休取得率や時系列での推移といったデータを見ると一目瞭然です。データに特徴があれば、メディアとしても「今取り上げるべき」と判断する材料になります。子育てに関連する商品やサービスを提供する企業がこのような情報を出していけば、調査データとともに事例として紹介してもらえる可能性が生まれるのです。


また、トレンドの「兆し」を生み出すことができるのも調査データの魅力です。例えばバレンタイン。以前は「女性が男性に対して、チョコレートとともに思いを伝える」イベントとして認知されていましたが、10年ほど前に「女性が同性の友達にチョコレートをプレゼントする」という兆しが調査データで明らかにされ、「友チョコ」というトレンドが生み出されました。最近では「自分へのごほうび」としての意味合いも強くなっているので、それに合わせて企業は商品開発やサービスを行っています。自社商品が定番商品であり、なかなかニュース性を生み出せない場合、こういった「トレンドの兆し」をデータによって把握し、それにマッチする商品として、商品やブランドの価値や意味を「リポジショニング」していくことが可能になります。




「データ」の説得力と「コンテンツ」としての魅力




―「データコンテンツ活用」には具体的にどのような手法がありますか?


「データコンテンツ活用」とは、企業が発信する情報に「データ」の説得力と「コンテンツ」としての面白さの両方を持たせて生活者に届けるPR手法全般のことを指します。先ほど、データを「うまく」活用すれば効果を発揮するとお話ししましたが、情報過多の現代では、たいていの調査やデータは読み飛ばされてしまいます。ですので、PRで活用する際にはこの「コンテンツとしての面白さ」を生み出せるような「ストーリー」設計に寄与する工夫を凝らすことが重要です。

具体的には、企業が自社のサービスや商品に関連する調査を実施し、プレスリリースとして配信する「調査リリース」を活用しながら、さまざまなPR施策を展開していく形になります。“今”企業が伝えたいことと、生活者の知りたい世の中の“今”をコンテンツとしてまとめたものが調査リリースです。つまり、企業による一方的な発信にならず「生活者の知りたいこと」を調査で導き出すことが重要になるのです。





調査リリースは「データコンテンツの三段論法」を使って作成しよう



―調査リリースの制作のポイントを教えてください


調査リリースを制作する際に最も気をつけるべきポイントは、単純に調査結果を並べるのではなく、全体で伝えたいメッセージを意識しながら「内容にストーリー性を持たせること」です。そのため、調査設計時からどのようなストーリーにしたいかというアウトプットのイメージを意識することが重要です。絶対に「とりあえず調査しよう」という形で進めるのはやめましょう。そのために、「データコンテンツの三段論法」を使って作成することをお勧めしています。


現状の提示(世の中ゴト)

世の中の現状を広く捉えた調査データの紹介。読者に「うん、そうだよね」「やっぱりみんなこう思ってるんだ」と感じてもらうためのフェーズです。
例:「自粛期間で料理をする頻度が〇%増加」など。


課題(悩み/意識)の提示

「現状の提示」のトレンドをさらに深掘りし、焦点を絞っていきます。読者に「え!そうなの?」「確かに言われてみればそうだ」という、「驚き」を与えることを意識しましょう。
例:「テレワーク中の料理の悩みは『買い出しに行く時間がない』」


解決策の提示(商品やサービスへの落とし込み)

「課題の提示」で深掘りした生活者や世の中の課題感に対しての解決策に導きます。読者に「これは生活者目線で考えられたサービスなんだ」「この会社は世の中のためになることをしているんだ」と感じてもらえるような内容にしていきます。
例:「定期的に食材が家に届いてほしいと思うと答えた人は〇%」



このような形で逆三角形をイメージしながら「社会の現状→課題→解決策」という形で組み立てていくと、インパクトがあり、かつ関心を持たれやすいストーリーを生み出すことができるのです。


―「データコンテンツの三段論法」、非常に分かりやすい流れですね!そのほか、気を付けるポイントがあれば教えてください



調査リリースもプレスリリースの一種なので、メディアに関心を持ってもらうため、見出しにインパクトを持たせられるかというところはしっかりと考えていかなければなりません。また企業の宣伝だけにならず、社会性を持たせることも重要です。

もちろん、データの正確さはいうまでもありません。調査結果に対する理由づけは十分か、グラフは正確で見やすいか、調査概要は明記されているかといった点には十分注意しましょう。


※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。




電通PRC-PRX事務局より


いかがでしたでしょうか?現在考えているニュースリリースの内容を充実させたい、ニュースリリースをする内容が思い付かないけどもっと情報発信していきたい…という企業の皆さまにもヒントになったのではないでしょうか?

今回のシリーズ「『調査PR』徹底攻略」は、全3回連載を予定しています。
第2回は事例研究「調査PRで情報流通量を拡大する!~タイミングを捉える」(仮)、
第3回は「踏査PRの情報発信/情報流通デザイン」(仮)
を紹介する予定です。

なお、今回ご紹介した「調査PR」にチャレンジしたいとお考えの皆さまに、調査PRに関するお役立ち資料もご用意しました。また、当資料内では、新たな調査を行うことなく、皆さまの企業内でお持ちの既存データからPRに適した「データコンテンツ」を開発する、「『調査PR』トライアルプラン」もご提案。下記リンクよりダウンロードして、ご覧ください。



  「調査PR」徹底攻略01:調査リリースのメリットと書き方 「調査PR」はPESOメディアでの情報発信の効果を最大化し、社会的承認や合意形成を獲得するPR手法です。ポイントは「データ」をストーリー型「コンテンツ」にする事。そんな「調査PR」活用のメリットや具体的手法について解説するシリーズ「『調査PR』徹底攻略術」。第1弾は「調査リリースのメリットと書き方」をご紹介。当資料ご覧の方限定で、お試しやすいエントリープログラムもご用意しました。 「PR X」マガジン|すべてのビジネス領域に、PRの技術を|株式会社電通PRコンサルティング



(上記「お役立ち資料」資料より抜粋)



なお本記事は、「『調査PR』徹底攻略」シリーズ全3部の第1弾として公開するものです。是非、全3部作まとめてご覧ください。

【調査PR 徹底攻略01】PRで「データ」を活用する~課題や兆しをあぶり出す調査PR(本記事)
【調査PR 徹底攻略02】「調査PR」成果を最大化する「モーメント」活用企画術
【調査PR 徹底攻略03】事例とともに考える「データコンテンツ発信術」


また上記記事にあわせて、お役立ち資料も3部セットでご用意しています。

【調査PR 徹底攻略術01】調査リリースのメリットと書き方
【調査PR 徹底攻略術02】「調査PR」発信タイミングとテーマ設計術
【調査PR 徹底攻略術03】調査PRの拡散戦略
 


酒井 繁
酒井 繁
株式会社 電通PRコンサルティング データストラテジー部 部長/データストラテジー コンサルタント。 調査会社で、主に新商品・サービス開発におけるマーケティングリサーチに従事。出版社では、掲載広告の効果測定や若者の意識・実態調査の企画から考察、発表などを担当。 2010年電通PRコンサルティング入社。企業広報領域におけるリサーチ経験を活かしたプランニング及びコンサルティング、商品・サービスコミュニケーションにおけるリサーチを核にした戦略PR活動に従事。 執筆:「電通報」PR効果測定とデータ・ドリブンPRとは / 「広報会議」今こそ見直す広報効果 慣習を断ち切り測定

 


 

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