危機管理広報とは?事例で見るポイントと、電通PRコンサルティングができること
企業が直面する危機は、予期せぬ形で訪れることが多く、その対応次第で企業の命運を分けることすらあります。特に、情報の流通が加速する現代においては、迅速かつ適切な広報対応が求められます。
しかし、危機管理広報には、高度な専門知識と経験が必要とされるため、内部での実践に不安を感じる企業も少なくありません。
本記事では、危機管理広報の重要性と実践するためのポイント、そしてPRコンサルタントの会社がどのように支援できるかについて、電通PRコンサルティングのプログラムを例に、詳しく解説します。
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目次[非表示]
危機管理広報とは
危機管理広報とは、企業が予期せぬ危機に直面した際に、ダメージを最小限に抑え、迅速に通常業務へ復帰するための広報活動を指します。
危機管理広報は、クライシスの際に企業の信頼やレピュテーションを守るための総合的な広報戦略であり、企業全体の存続にも直結し得るものです。危機発生時の対応だけでなく、平常時からの準備も欠かせません。
例えば、事前にリスクマネジメント体制を整え、危機が発生した場合のマニュアル作成やシミュレーショントレーニングを定期的に行うことが推奨されます。
具体事例でみる、危機管理広報
具体的な事例で危機管理広報の役割を見ていきましょう。
JAXAの「H3ロケット初号機」打ち上げ中止の会見
2023年2月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)がH3ロケット初号機の打ち上げ中止を受けての記者会見で、記者から「失敗」と断定する質問が執拗(しつよう)に投げかけられましたが、JAXAは冷静かつ毅然と対応しました。
この対応は、SNS上で高く評価され、組織イメージの維持に成功しました。
JAXAの事例は、記者会見という広報の場において、冷静な対応と誠実な姿勢が企業や組織のレピュテーションを守るためにいかに重要であるかを示しています。
老舗温泉旅館のレジオネラ菌発生事件
ある老舗温泉旅館では、大浴場の湯を年2回しか交換せず、レジオネラ菌が大量発生したことが発覚しました。
記者会見では進行役がおらず、社長が記者の質問に振り回され、結果的に企業イメージの低下を招きました。
この事例は、危機管理広報における司会進行の重要性を再認識させました。
JAXAの事例も老舗温泉旅館の事例も、危機管理広報において、冷静な対応と適切な準備がいかに重要かを示しています。的確な対応が、企業のレピュテーションを守り、信頼を回復させるための鍵となります。
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危機管理広報 重要性が高まる背景は
現代の企業環境は、情報漏えいや製品リコール、自然災害、人権問題など、さまざまな危機に取り巻かれています。
さらに、SNSの普及により情報が瞬時に拡散する時代では、企業の対応スピードと透明性が求められます。
不祥事が起きると、社会的信頼の低下はもちろんのこと、製品やサービスの回収費用等の対応コスト、販売店への補償、売り上げの減少、損害賠償・補償、株価の下落などさまざまな損失が発生して、経営に大きな影響を与えかねません。こうした局面での危機管理広報の失敗は、企業全体の存続を脅かす可能性があります。
危機を管理することは、重要な「経営課題」ともいえるのです。
一方で、ヒトはミスや失敗を犯してしまうもの。不祥事を“100%防ぐ”ことは不可能ともいえます。
従って、企業全体での情報共有体制の構築や、定期的なリスク評価、そして迅速な対応ができるような内部訓練など平常時からの準備が必要です。
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危機管理広報 実践に必要な“5つの力”
実際に危機が発生した際は、どのようなプロセスが求められるのでしょうか。
まず、危機発生時には即座に「事実確認」を行い、関係者に正確な情報を伝えることが必要です。
次に、影響を受けるステークホルダー(顧客、取引先、従業員、メディアなど)に対して、一貫したメッセージを発信します。
さらに、メディア対応においては、企業の立場や対応方針を明確に伝え、誤解や不安を払拭するために質問に丁寧に答えることが重要です。
このようなプロセスを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
電通PRコンサルティングでは、危機管理広報に必要な5つの力(ペンタゴンモデル)を定義。この5つの力をベースに、これまで経験に頼っていた暗黙知を見える化することで、確実に危機管理体制の構築を推進することが可能となります。
リーダーシップ力
企業のトップが明確なビジョンを示し、迅速かつ的確に意思決定を行う能力を指します。
経営トップに強いリーダーシップがある企業は、危機発生時においても組織を迅速にまとめ、効果的な対応が可能です。トップのリーダーシップは、全体の危機対応を統括し、組織全体に対して明確なメッセージを発信する上で欠かせない要素です。
予見力
将来、自社に影響を与える可能性があるリスクを予見し、組織的に共有する力です。
リスクマネジメントの一環として、企業が直面する可能性のある危機を予見し、その情報を組織内で日常的に共有することが求められます。これにより、危機が発生する前に必要な準備を行うことができます。
回避力
リスクの顕在化を未然に予防・回避、または、事前に想定し、影響を低減する組織的能力です。
企業があらかじめ危機のシナリオを想定し、適切な予防措置を講じることで、発生した場合でも迅速に対応し、影響を最小化することが可能になります。
被害軽減力
リスクが顕在化した場合に、迅速・的確に対応しステークホルダーや自社が受ける被害を軽減する組織的能力です。
広報担当者は事前に準備したメディア対応ガイドラインに基づき、正確かつ一貫したメッセージを発信することが求められます。
再発防止力
リスクの経験と向き合い、再発防止の取り組みを通して社会的信頼の回復を実現していく組織的能力です。
信頼回復策の実施や、コンプライアンス体制の確立、リスク事案の再検証・体制強化が求められます。
電通PRコンサルティングの危機管理広報支援は、これら5つの力をバランスよく強化することで、企業の危機管理能力を高めることを目指しています。
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危機管理広報 電通PRコンサルティングができること
さまざまな準備や対応が求められる危機管理広報ですが、内部での実践にハードルを感じる企業も少なくありません。外部の会社に支援を依頼した場合、どのように支援をしてもらえるのでしょうか。
例えば、電通PRコンサルティングはこのような企業のお悩みに応えるべく、下図のようなサポートメニューを用意しています。
平常時の備えとして、事前のリスク評価や危機管理マニュアルの作成、シミュレーショントレーニングの実施など、企業が危機に備えるための支援を行います。
特に重要なのが「メディアトレーニング」です。企業トップが適切にメディア対応を行えるよう、模擬記者会見やインタビュートレーニングを通じて、リアルなシミュレーションを提供します。
平常時に企業の代表者等にトレーニングを受けていただくことで、プレッシャーのかかる状況でも冷静に対応し、企業のメッセージを効果的に伝えられるようになることを目指します。
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実際に危機が発生した際には、対策本部の設置・運営などの初動対応の支援や、Q&A作成など、メディア対応のアドバイスを提供し、企業のレピュテーションを守るための具体的な戦略を提案します。
さらに、危機が収束した後も、謹告広告の作成や、信頼回復策の実施、コンプライアンス体制の確立などをサポート。リスク事案の再検証/体制強化を行い、企業の持続的な成長をサポートします。
まとめ
危機管理広報の備えは、将来の企業の成功を左右する重要な投資です。備えることによってリスクを予見し、迅速かつ適切に対応することで、企業の信用とレピュテーションを守り抜くことができます。
電通PRコンサルティングは、半世紀以上にわたり危機管理業務を手がけ、他社を圧倒する実績で、企業・組織をサポートしています。
詳しくは、資料をダウンロードしてご覧ください。また、具体的な相談については、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。
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