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「広報効果測定」方法は?ツールの導入は?課題解決のポイントを解説

テクノロジーの発展により、さまざまな影響が数値として可視化されるようになった昨今ですが、「広報活動の効果測定」についてはまだまだ発展途上。

「ソーシャルメディアをどう評価するか」「広告換算の慣例からどう脱却すればよいのか」など、広報効果測定は広報担当者様にとって共通の課題です。

メディア環境の変化、特に「多元化する情報流通構造」を踏まえて、今求められる「広報効果測定」の在り方について考えます。


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目次[非表示]

  1. 1.広報担当者の悩み「広報効果測定」
  2. 2.広報効果測定におけるKPI設定のずれ
  3. 3.多元化する情報流通構造
  4. 4.広報効果測定の課題を解決する
    1. 4.1.① 多様化するメディアへの統一計測基準を導入すること
    2. 4.2.② 簡易な定点観測が可能なダッシュボードを作ること
    3. 4.3.③分析スペシャリストによる定性分析を定期的に実施すること


広報担当者の悩み「広報効果測定」


経済広報センター「第13回企業の広報活動に関する意識実態調査報告書」2018年
図表内(*2)は、2017年より質問項目に追加


2018年、経済広報センター「第13回企業の広報活動に関する意識実態調査報告書」によると、70%以上の企業の方々が広報の効果測定の難しさに、頭を悩ませていることが分かります。当社にも、依然、「理想的な効果測定の考え方は理解しているものの、現実的にどのようにすれば運用できるのか」といったご相談をいただくことが多いのが、この「広報効果測定」です。


なお、電通PRコンサルティングでは、これらに対応した広報効果測定・解析の為のビジネスインテリジェンス・ツール「PR Matrix ダッシュボード」もご用意しています。詳細は下記資料をご覧いただき、1か月間無料のトライアルプランを是非お試しください。


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バルセロナ原則に基づく広報効果測定


広報活動の効果測定について考える際に欠かせないのが、「バルセロナ原則」。

これは、コミュニケーションの効果測定の教育の提供や、原則を議論している団体であるAMECと、アメリカのPR研究所IPRが提唱したもので、広報効果測定に関する七つの原則です。

2010年に初めて提唱され、2020年に「3.0」にアップデートされました。

出典|バルセロナ原則3.0(Barcelona Principles) - 公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会


この「バルセロナ原則」が指摘したポイントは、「広告換算」(量)からの脱却にあり、「広告換算はコミュニケーションの価値を測定するものではない」と明確に宣言されています。

併せて「ゴール設定」「目標に対する具体的成果」「量のみならず質」が重要であると言及。

オンライン/オフラインを包括的に捉えるなど、新しいメディア環境を踏まえつつ、アウトプット(施策の成果)、アウトカム(目標に対する成果)、潜在的インパクトを明らかにすることを宣言した内容となっています。


広報効果測定におけるKPI設定のずれ


図1 広報活動における重要なステークホルダー(左)
図2 広報効果測定に関する活動(右)
調査対象:東証一部・二部、東証マザーズ、ジャスダック、札証、名証、福証に株式上場している企業
調査期間:2020年5月22日~2020年8月25日(「企業広報戦略研究所」調べ)


これは、電通PRコンサルティングが「企業広報戦略研究所」による調査結果をまとめた資料です。

こちらを見ると、企業広報部門の方々が考える、「広報活動における重要なステークホルダー」の1位が「株主・投資家」(91.4%)、2位が「顧客」(88.0%)と位置付けられています。

つまり、「株価や企業価値評価」や「製品・サービスの売り上げ」といった、事業活動そのものに直接影響を及ぼすステークホルダーを重要視していることが分かります。

一方で、広報効果測定として最も採用されている指標(64.1%)は、「新聞や雑誌で報道された件数、分量」。「ニュースメディア等への露出」によって、「企業価値が高まる」「商品が売れる」という二次的効果は見込めることが予想されるため、これをKPIとして設定している企業が多いことは理解できます。

しかし、情報流通構造が多元化する現在、上記で挙げた、株主・投資家や顧客という二大ステークホルダーに対し、他に効果的な活動がないのか?という視点で捉えると、まだまだ見落としているKPIマネジメント指標もあるように思われます。

また、「バルセロナ原則3.0」に記載されている「包括的なコミュニケーションの測定と評価には、オンラインとオフラインの両チャネルを含む」を考えると、よりフラットな視点で検討し、活動を包括的にトレースする必要性を感じます。


多元化する情報流通構造


ではなぜ、こういった、広報効果測定において、広報活動のステークホルダーとKPI設定にずれが発生するのか?この要因の一つに、従来型の情報流通構造、すなわち、SharedメディアがEarnedメディア/Paidメディアの後追いメディアであるという先入観からの脱却が図れていない点が挙げられます。

上に述べた通り、現在の情報流通構造は、年々多元化しています。ニュースリリース/自社サイト掲載や記者発表会(Owned)から、報道獲得や発表内容の詳細を伝える広告を経て、それがSNS等で話題化していくという型のみならず、近年では、一部のステークホルダーによるSharedメディアでの熱狂的な話題化が、マスコミ報道をけん引することも少なくありません。






さらには、情報は2次流通、3次流通に伴って、「情報流通の(量的)拡大」のみならず、情報の受け手によるUGC(User Generated Contents、ユーザー生成コンテンツ)再発信において「文脈の変化」(=質的拡大)を起こすことも重要なポイントです。だからこそ、現在、伝えたいメッセージを発信するだけの一方的なコミュニケーションではなく、ナラティブ・デザインを重視する、企業の方々も増えてきました。


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つまり、多元化する情報流通構造下における広報活動においては、「量的拡大」のみならず「文脈の変化」(=質的拡大)も見据えた包括的なマネジメント指標が求められていると言える一方で、現状ではこれらを横串で見られる指標の設定は難しく、質・量ともに多面的に評価せざるを得ない状況にあるのです。


広報効果測定の課題を解決する


さて、ここまで、広報効果測定に関する背景や、さまざまな議論を紹介してきましたが、「バルセロナ原則」は測定方法そのものではなく、あくまで原則・考え方。

全ての業務において、この原則にのっとりながら、測定を行うことが理想ではありますが、実際には「普段の業務・予算内で現実的にできること」を模索している広報担当者様は多いのではないのでしょうか?


実際、当社にも多くの広報担当者様から

  •  広告換算金額の慣例から抜け出したいが、代わりの指標が見当たらない
  •  メディアが多様化しており、露出情報の取りまとめが追い付かない
  •  作成したリリースがなぜ記事化されたかの検証まで手が回っていない

等々のご相談をいただくケースが近年増加しています。


当社ではこのような「効果測定手法」に関する、課題を解決する糸口として、3つのポイントがあると考えています。

  1. 多様化するメディアへの統一計測基準を導入すること
  2. 簡易な定点観測が可能なダッシュボードを作ること

  3. 分析スペシャリストによる定性分析を定期的に実施すること

では、それぞれについて、詳しくご紹介します。


① 多様化するメディアへの統一計測基準を導入すること


従来の広報の効果測定においては「記事」として掲載された際の成果を同じ枠を広告として購入した場合の広告費用に換算し、評価する広告換算金額という手法が一般的に取り入れられてきました。

しかし、広告換算では、大きな影響力を持つこともあるWebニュースであっても、テレビや新聞・雑誌等と比較し、広告費が安く設定されているケースもあるため、横並びで評価することが難しくなっています。また、Twitterなどソーシャルメディアにおいてはそもそも広告費が設定できず、評価できないという点も広告換算運用の大きな課題となっています。

そこで、露出量を計測するためには広告換算ではなく、また番組数・記事数・Twitter投稿数のような“1件”の重みが違う単位ではなく、統一の横並び評価が可能な指標を取り入れることが必要です。


② 簡易な定点観測が可能なダッシュボードを作ること


多様なメディアの評価指標を統一してそろえると同時に、露出情報を定点的に蓄積し、広報担当者様が自身のタイミングで必要な情報にアクセスすることができる環境を構築することも実際の効果測定作業においては重要になります。

実際、成果情報収集の現場では、クリッピング会社を活用してExcelでメディア露出情報をまとめたり、見かけた自社に関するWebニュースをメモしたり、ソーシャルリスニングツールでTwitterの発話状況を確認したりと、収集した情報がバラバラに点在しがちです。

こういった場合、陥りやすい現象が、広報の効果測定業務のサイロ化(※)です。このように、どこにどの情報があるのか分からない状況を回避するためにも、また誰もがその活動を包括的にトレースできるよう、一元的に情報を集約したダッシュボード導入という手法が有効であると考えました。

サイロ化(英:silos)とは、それぞれの業務やシステムが、全体最適とならず、自己完結して孤立してしまう状態のこと


③分析スペシャリストによる定性分析を定期的に実施すること


統一指標を導入し、定点観測が可能な環境が整ったとしても、定量的な露出状況の推移や割合グラフを眺めるだけでは効果測定における課題を完全に解決したとは言えません。

各企業にはそれぞれのミッションがあり、広報担当者様のミッションもまた千差万別です。よって、一律の測定手法を全ての企業に当てはめると、必ず不足点が発生し、本当の意味での「広報活動の効果測定」の課題解決には至らないのです。

さらには、前述の通り、情報流通量の拡大が、企業にとって好意的な文脈であるという保証はなく、多元的に情報流通を繰り返す中で、情報の受け手による「文脈の変換と再発信」が促進されます。そういった、文脈変換の分岐点を見極め、分析し、それを学びとしていく活動も、この広報効果測定には求められています。(※)

「バルセロナ原則3.0」から引用
コミュニケーションの測定と評価は、学びとインサイトを導くため、誠実さと透明性に基づくべきである。


多元化する情報流通構造を踏まえた、広報効果測定手法に関する3つのポイントを具体的に解説しました。日常の広報効果測定活動にお役立てください。

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。


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西山 大地
西山 大地
株式会社電通PRコンサルティング コーポレートコミュニケーション戦略局 データソリューション開発部 コンサルタント 2015年にWEBリスクマネジメント事業を行う企業に入社以降、ソーシャルリスニング・リスクモニタリングサービスの開発・運用に従事。 2021年電通パブリックリレーションズ(現電通PRコンサルティング)に入社し、 現在は「定量/定性データ×PR」の視点でのソリューション開発を行う。 広報効果測定ソリューションであるPRMDの開発推進を担当し、 データドリブンな形でのユーザーインサイト発掘、企画提案や効果測定が得意領域。

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